なぜ無償化になるのか?大学進学における奨学金返済が無償化の流れへ

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民主党政権の時代に『高校の無償化』が行われました。
公立高校の授業料の約12万円が無償化になり、私立高校ではその分だけ安くなりました。

先進国では教育の無償化の流れが来ており、日本でも今年からは大学でも給付型の奨学金の制度が一部始まります。
この『返済不要の奨学金の流れ』についての記事を今回は書いてみようと思います。

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教育無償化の流れ

公的な給付型奨学金制度の創設が決まり、2017年度から一部が先行実施されます。
対象は住民税非課税世帯の1学年2万人で、進学先や下宿の有無に応じて月額2万~4万円を給付になります。

住民税非課税で一定の学力があり、資格要件を満たしている学生は約4.5万人くらいいるので、その半分が給付型奨学金の対象となり、もう半分は無利子の奨学金になるようです。
そこらか徐々に学力の基準を無しにして無利子の奨学金の対象を広げていくとのことです。

給付額が少ないなどの批判もありますが、とりあえず教育の無償化の方向に日本政府は舵を切っていると考えて置いて良いと思います。
今回の給付型の奨学金で必要な財源は200億円です。

大学進学率の変化

もともと大学進学率は一桁で、エリート達が行くところが大学でした。
しかし今では大学は乱立し、進学率は50%を超え、専門学校を合わせると進学率は80%にも及びます。

世帯収入と大学の授業料の変化

1985年の平均所得は498万円で国立大学の授業料は25万円、私立大学の授業料は47万円でした。
現在の平均所得は542万円で国立大学の授業料は53万円、私立大学の授業料は86万円です。(所得のピークは1994年の664万円です)

年収は2倍になっていないのに授業料は約2倍になっているんですね。

奨学金を借りる学生の数

奨学金を貸与する学生は約50%(およそ105万人)で、二人に一人は奨学金を借りていることになります。
そのうち約35万人が無利子の一種奨学金、約70万人が利子有りの奨学金を借りています。(成績と親の経済状態で無利子の一種を借りることができるかが決まります。)

1998年では一種を借りる人が20万人、二種が10万人だったので奨学金利用者が大幅に増加していることがわかります。
背景には学力基準・所得基準の審査を緩めたことがあります。

奨学金とは一種の『借金』で、必ず返さないといけません。
しかし日本学生支援機構の調査によると、「借りたら返すというのを知らない人」がおり、催促状が来て初めて返済義務があることを知る人もいるのだとか。

確かに優秀な成績を収めた人には返済免除や減額がありますが、その恩恵を受けることができる人はごくごく一部です。勘違いしている人がいれば考えを改めてくださいね。

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格差と奨学金

親の収入と子どもの学歴には関係性があります。
当然収入が高い方が子どもの学歴も高く、学歴が高い方が高収入になっていきます。

つまり、格差が固定化されてしまうのです。

勉強の意欲もあるのに親の経済的事情で塾にも行くことができず、大学に進学できない子どももいるのが現状なんですね。
これは本人にとっても社会にとっても損失です。

教育機会の格差を是正し、負の貧困の連鎖を断ち切るためにも奨学金の制度は必要なものです。

給付型の奨学金はバラマキ?

教育を投資とみるか、福祉とみるかで給付型の奨学金の見方は変わってしまいます。
福祉の視点に立てば給付型の奨学金は『所得の再分配』ですが、投資としてみるならば低所得者への教育効果は低いという意見もあります。

だから税金のバラマキだという人もいるんですね。
確かに『投資』という視点でみるのであれば、賢い人にどんどん投資していく方がリターンも大きくなることが予想されます。

しかし、私としてはこの意見には反対で教育機会は均等に与えていくべきだと思います。
ですが、進学する意味のないような俗にいうFラン大学もあるので、どんな人にでも給付型の奨学金を出すというのは反対です。

私立大学の公立化への動き

地方の私立大学が公立大学へと変わろうとする動きもあるようです。

地方の私立大が公立大に衣替えする動きが進んでいる。朝日新聞の調べでは7大学が公立化し、少なくとも6私大が今後、その予定か構想がある。少子化が進み、私大経営が厳しさを増すことが主な要因だが、将来、国や引き受けた自治体の財政上の負担が増えかねないとの指摘もある。(引用:朝日新聞DIGITAL 地方私立大、進む公立への衣替え 少子化で経営厳しく)

自治体が財政負担をしてでも私立大学を公立化するのは、大学があるということは若者が集まり、地元経済にプラスの影響を及ぼすと考えているからです。
果たして経営がうまくいっていない大学を自治体がお金を出すことでうまくいくのでしょうか?

需要がない大学を残す必要はないと私は考えています。
これこそ税金の無駄遣いというやつです。

残念ながら低レベルな大学を残したところで優秀な学生が地方に残るわけではありませんし、他の地域から集まることはありません。
無理な延命にメリットはないのです。

給付型の奨学金には賛成ですが、このような大学に進学させるために税金を使うのであれば、私は反対の立場をとります。
誰でも簡単に入学できる大学で学べるものが果たして『教育』でしょうか?

大学の無償化や給付型の奨学金の制度を整える前に『大学とは?』『教育とは?』『大学生とは?』をしっかり考えなくては税金が無駄に流れていくだけです。

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まとめ

いかがだったでしょうか?
今回の記事では『返済不要の奨学金の流れ』について書いていきました。

それでは今回の記事を簡単にですがまとめます。

  • 教育機会の均等化を目指さないと格差がどんどん広がる
  • 奨学金で大学に行くことはいいけど、『どんな大学に進学するか?』を選択しなくてはならない
  • 奨学金はあくまで『借金』なので、借金を背負ってまで行く価値のある大学に進学しないと意味がない
  • 給付型の奨学金は税金から出されるので、国民全員で使い方を考えていきましょう

本日も最後まで記事を読んでくださり、ありがとうございました。

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