勉強ができるかできないかの残酷な真実【遺伝的要因が大きい】

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遺伝子と勉強ができることって関係があるのかな?

そんな疑問に答えます。

残酷な事実でして、学校の先生は口が裂けても言わないことでしょうが、勉強ができる・できないに遺伝子が大きく関わってくることが、行動遺伝学によって明らかになっています

身長が高い人・低い人、体重が重い人・軽い人、二重の人・一重の人、と身体に様々な違いがあるように、勉強ができる・できないも遺伝が大きく関わってきます。そのため、「成績が悪いのはお前の努力が足りないからだ!」という、精神論だけで教育をするのは良くありません。

このページでは勉強と遺伝についてもう少し具体的に見ていきたいと思います。

*このページの内容は話が難しくなりそうなので、マイルドにするためにもキャラクターを使います。

質問担当がこちら↓↓↓

ぶたさん
ぶたさん

気になるところが見つかったらワイが質問していくでー。

解説担当がこちら↓↓↓

とりさん
とりさん

できる限り分かりやすくなるような解説を心がけるよ!

キャラクターを使うことで少しでも分かりやすくなれば幸いです。

*安藤寿康(あんどうじゅこう)さんの『なぜヒトは学ぶのか 教育を生物学的に考える』を参考にしております。

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遺伝要因と家庭環境で勉強の良し悪しは80%が決まる

勉強に関係するものとは何か?について、行動遺伝学の知見によると、

  • 先生の教え方や本人の努力の影響力は20%程度
  • 遺伝の影響は50%
  • 家庭の影響が30%

と、先生の指導や本人では如何しようも無い影響力が80%もあることがわかっています

これを無視して、「お前の努力不足だ!」「もっといい塾に入ったらいいんだ!」という考え方は微妙と言わざるを得ません。

ぶたさん
ぶたさん

えー、遺伝子ってこんなにも関係してくるんや。

とりさん
とりさん

そうなんだ。同じ先生から同じような授業を受けたとしても、テストの成績は変わってくる。やっぱり遺伝的影響が大きいからなんだね。

遺伝で勉強の良し悪しが全て決まるのか?

ぶたさん
ぶたさん

だったらさ、遺伝的に恵まれた人は勉強なんかしなくていいじゃん!

とりさん
とりさん

そんなことはないよ。遺伝的に恵まれていても、勉強しないと成績は良くならないよ。

遺伝が50%も勉強の良し悪しに関わっていると、「勉強しなくてもいいじゃん!」と考えそうなもんですが、決してそんなことはありません。

この結果はあくまでも子供たちみんなが学校に通って曲がりなりにも教育を受けていると言う、今の教育制度がきちんと働いていることを前提とした結果です。p136

遺伝的才能があったとしても、勉強しなかったらその才能は開花しません。これは、学校教育が誰でも受けれるという条件のもとで生じている、学業成績に及ぼす遺伝の影響の結果に過ぎないのです。

学び方の遺伝的影響

今の学校教育は、学校の先生が教壇に立って数十人の生徒に教えるという形態をとっています。この学びのスタイルに合う子、合わない子も当然ながらいます。

  • 学校の学習が適している人
  • 学校の学習ではない学習が適している人(例えば、体を使って覚えるのが得意な人)

などなど、学び方の合う合わないもあります。現代でいう『学校の成績がいい!』というのは、今の学校教育のスタイルに合っているからなのです。

学習環境を変えれば、飛躍的に成績が伸びるであろう人もいるでしょう。

いかなる行動の個人差も、遺伝だけからでも環境だけからでもなく、遺伝と環境の両方の影響によって作られている。p159

当たり前のことなのですが、「遺伝と環境の両方が大切ですよー」ということです。

  • 遺伝的才能はあるけれど、環境がダメだった人
  • 遺伝的才能は普通だけれど、環境が良かった人

であれば、後者の人の方が伸びるでしょう。これも当たり前のことです。しかし、後者の人であれ、

  • 遺伝的才能があり、環境も良かった人

には、負けてしまいます。(なにをもって“負ける”とするかはここでは言及しません)

家庭環境が勉強面に与える2つのこと

遺伝を変えることができませんが、家庭環境は変えることができます。ここから家庭環境が与える勉強の面について見ていきましょう。

親の経済力は子どもに影響する

身もふたもない話ですが、親の経済力は子どもの、

  • 学業成績
  • 学歴
  • 収入
  • 専門性の高い職業に就く

などに影響を与えてきます。

と言っても、これを解決するのは難しいです。政治面で子どもの学習環境は直していかないといけません。が、なかなか政治は動きません。では収入が低い家庭ではどうすればいいのでしょうか?

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家庭の混沌度合いが学力に影響を与える

  • 家が混乱している
  • テレビがつけっぱなしである

などなど、家庭の混乱状態は子どもの学力に影響を与えることがわかっております。ここはしっかりと直せることかと思いますので、まずはここから攻めるのがいいかと思います。

これは主としてお母さんやお父さんのだらしなさなので、それ自体は子供自身にはどうすることもできませんが、ご両親に理解してもらい少しでも整理整頓をしてもらうとか、あなた自身が規則正しい身の回りを整理整頓した生活をして親の見本になるよう努めるなど、状況改善するように心がけることが効果を持つ可能性があります。p167

別のページでも同様の指摘がありましたので、引用します。

だけれども学校の成績を良くしたいと思ったら、直ちに親子で相談し、協力して家の中を整理整頓、規則正しい生活をするよう、心を改めて頑張ってください。p186

遺伝子と人生の捉え方

「遺伝は関係あるよー」という話をしてきましたが、遺伝で人生を決められるかというと、そんなことありません。

行動遺伝学が「それは遺伝的限界かもしれない、だから諦めていいんだよ。こうなったら一刻も早く諦めて、別の道を探しなさい」とささやいてくれたとしても、あなたにはどこまでも希望を失わないで努力し続ける「権利」、その上で結果を「祈る」「持ち続ける」権利があります。そもそもそれほどの思いがあるのであれば、そのような思いを持ったこと自体があなたの何らかの遺伝的才能ですから、何か意味があると考えるべきでしょう。p217

「遺伝的に勉強の才能がないって?そんなの関係ない!ワイはやる!」という強い意志を持てることも、それも遺伝的才能だったりするのですね。

勉強ってなんのためにするのか?

  • いい点数を取る!
  • いい高校に入る!
  • いい大学い入る!

であれば、『勉強=テスト』のためになります。そうなると、遺伝的に優劣が出てきてしまいます。

しかし、勉強とは国数英理社だけではありません。世の中から学べることはほぼ無限と言っていいくらいにあります。そうであるならば、

  • 自分の好きなもの
  • 自分の得意なもの
  • 自分の人生をよりよくしてくれそうなもの

を学べばいいだけでして、そこには遺伝要素を気にしなくていい世界が広がっています。今は学校教育が前提になっているので、国数英理社ができることが最善のように思われていますが、人生で考えるとそんなことありません。

  • 数学ができるよりコミュニケーション能力があった方が
  • 英語ができるより色々な人と喋れるコミュニケーション能力があった方が
  • 理科ができるより色々なことにチャレンジできる好奇心があった方が

自分の人生をよりよくできるかもしれません。何が言いたいかというと、人それぞれということです。

おわりに:個性を大切にする教育を

学習には遺伝の影響が大きいということを書いてきました。勉強ができると言われている人は、今の教育スタイルに適合している人なのです。運がいい人ですね。

私たちは一人一人異なった遺伝的スタイルを持って、他の人が想像もつかないような独自性を発揮しています。といっても99.9%同じDNAの塩基配列の中での、わずかな0.1%の違い、1000個の塩基につきたった1つが生み出した遺伝的差異に過ぎません。圧倒的共通性がありますから、私たちが互いに同じように感じ、考え、互いに理解し合い、教育もできます。しかし一方で0.1%違うから、他の人と同じようには感じたり考えたりできず、理解しにくいのです。p270

人とは違う部分、その個性を育んでいくことが大切なのです。AIやロボットが進化する今、勉強がどれだけできても作業効率の面では適いません。だからこそ、AIやロボットにはない個性を磨いていくべきではないでしょうか。参考までに。それでは!

これからの時代を生きるために親と子どもが知っておくべき学校教育の時代遅れさ>

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