子どもの塾選びってどうしたらいいんだろう?
そんな疑問に答えます。
塾の先生にしろ、スポーツのコーチにしろ、子どもの成長を望みたいのであればしっかりと選んでおきたいところです。特に塾や家庭教師の先生は、大学生が適当にやっているケースが多いので、ハズレを引いたまま継続していると取り返しのつかないことになります。
ということでこの記事では
- 前半:指導者の選び方で気をつけたいところ
- 後半:子どもへの学習の接し方
について書いていきます。
この記事は米国先端政策研究所シニアフェローのアーリック・ボーザーさんの著書『Learn Better』を参考にしています。
ビル・ゲイツが4000万ドルを投じて分かった教育のこと
子どものスキルや知識を伸ばしたいのであれば、それらを教える教師が必要になります。そして、教師が大切だということは誰もが納得することかと思います。
しかし、教師の役割と教師が実際に学習をどれだけ促進するかについては近年まで研究されてきませんでした。
そこにマイクロソフトの創業者ビル・ゲイツが関心を持ち、4000万ドルを投じて、
- 数十名の研究者
- 数百の学校
- 数千人の教師
- 10万人の学生
を対象にする大規模な研究プロジェクトを実施しました。
学生の成果を高める2つの大きな要因
この大規模研究のデータ検証に関わったハーバード大学のロン・ファーガソンよると、学生の成果を高める大きな要因は2つあることがわかりました。
- 勉強圧力
- 勉強支援
の2つです。
勉強圧力とは?
勉強圧力とは、教師が学生に対して勉学に励ませる圧力のことです。ようは後押しのことです。
勉強支援とは?
勉強支援とは、教師が学生に勉強へのモチベーションを与えることです。
優秀な教師とは?
この結果から、ロン・ファーガソンは優秀な教師を探すためにこのように言っています。
優秀な教師なりメンターを探すなら、
- 履歴書を見てはいけない(学歴が高いことが教師としての優秀さではない)
- 教師の経験年数もあまり気にしなくてよい
- そんなことよりも、その教師が学生を鍛えてくれるか、説明が分かりやすいか、その教師の授業から学べるものが多いか、勉学への支援をしてくれるか、自分にあった教材を提供してくれるか、つまずいている学生をどう手助けしていたか、
を気にかけた方がいい、と言います。(その教師の授業を受けた人に聞くのが良い)
親・教師が子どもにできる学習の接し方
続いて、親・教師が子どもにできる学習の接し方について書いていきます。
著者によると以下の6つに気をつけることで、勉強への支援ができるとのことです。
- 期待値を示す
- 分散する
- 集中力を高める
- ミスをサポートする
- アナロジーを使う
- 見直しを促す
それぞれ具体的に見ていきます。
期待値を示す
学習やスキルの習得には困難が伴い、それを乗り越えるためには努力が必要です。親・教師の支援と励ましがなければ、子どもはすぐにでも学習を辞めてしまうでしょう。それを避けるためには、褒め言葉や励ましを与えるべきです。
褒め言葉には注意が必要でして、
- 「頭がいいね」などの才能を褒めるのではなく
- 学習のプロセス(過程)を褒める
ことが大切になります。才能を褒めると「自分はできるやつなんだ」と過信するようになってしまう危険性があるからです。
褒めたくなった時はプロセスを褒めるようにしてください。例えば以下のような言葉になります。
- その調子で頑張って
- その頑張りは素晴らしいよ
などです。
また、子どもに対して要求水準と目標を伝え、期待していることを話すことも大切になります。
分散する
「分散する」とは勉強のテクニックのことです。分散学習をすることで、長期記憶に保存しやすくなるのです。
- 人は忘れる生き物
- 大体のことは数分から数日で忘れてしまう
- 記憶するためにはテクニックが必要
- そのテクニックは学習を分散させること
- 覚えておきたいことは、数日後に復習しよう
ということをしっかりと伝え、分散学習の大切さを教えてあげてください。
集中力を高める
テレビやスマホがある時代ですので、簡単に集中力を阻害する環境が整っています。ですから、子どもが勉強に集中できる環境を作ることが大切になります。
- テレビがない
- 大きな話し声がない
- SNSの通知がしない
ような環境を作りましょう。
ミスをサポートする
「失敗はダメだ!」とされていますが、失敗があるからこそ人は成長することが分かっています。失敗することで、
- なぜうまくできなかったのかの理解が進む
- 失敗は記憶に残りやすい
ことが体験を通して分かるからです
失敗を悪と見なさず、成長のために必要なものだというマインドセットに切り替えましょう。
アナロジーを使う
アナロジーとは類推のことで、アナロジーは新しい概念の説明に役立ちます。
- これとこれは似ている
- 例えば〜
を使って説明してあげるということです。
見直しを促す
人は誰でも自信過剰なところがあり、『理解した気になる』ことが往々にしてあります。
これを防ぐために、カーネギーメロン大学のマーシャ・ラヴェット教授は講義の後に「仕上げ」と呼ばれる課題を与えます。
- 自分は何を学んだか?
- 理解しづらかったのはどこか?
- 分からないと思えるのはどこか?
と、学生に自問自答させるのです。
これを繰り返すことにより、
- 自分が分かっているところ
- 自分が分かってないところ
を考える習慣がつき、学習の理解が進むのだそうです。
おわりに:親の役割は子どもが勉強できる環境を支援してあげること
子どものスキルや知識を伸ばしたいのであれば、
- 学習できる環境を整えてあげること
- 学習のモチベーションを保たせること
が必要になります。このページではその具体的な方法を書いてきました。
すべてを一度にやろうとなると大変ですし、無理なので、まずはできるところからやってもらえたらと思います。それでは!
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