自分では教育熱心と思っている親の教育虐待【クローズアップ現代】

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クローズアップ現代で教育虐待が特集されていましたのでメモ。

番組の冒頭で紹介されているのは、父親から受けた長年の虐待に耐えきれず、両親を殺害した大学生の話です。

https://plus.nhk.jp/watch/st/g1_2024031327595
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自分の学歴コンプレックスを子どもに押し付ける

大学生の心理鑑定を行った専門家は「典型的な教育虐待」と語ります。

その大学生は小学生の頃から過酷な勉強を強いられ、問題を間違えただけでひどく叱責されていました。また「建築士になりたい」という夢を語ると、「そんなものになれるわけがない」と一刀両断に否定されていました。

心理学の専門家は「父親の考えとは違う自分を全く描けないままに大学生までいった」と分析します。

いったいなぜ父親はなぜこのような虐待的な教育をしてしまったのでしょうか。

父親の弟などから話を聞くと、父親自身が学歴コンプレックスに苛まれていたことが大きな要因のようです。父親はギャンブル依存症の親を持ち、貧しい家庭で育ちました。大学受験にも失敗し、運送会社を転々とする労働者になった父親は、嘘をついてでも体裁を保とうとし周囲の人には「九州大学を中退した」と嘘をついていました。

父親の弟はこう言います。「体裁だけが大切だった」「子どもは所有物」「子どもは自分を引き立てるためのツールくらいにしか考えていなかった」と。

子どもは父親の期待に応え、九州大学に進学します。しかし、大学進学後も父親の干渉が止むことはありませんでした。

そして長年抱えていた「いつか復讐してやろう」と思いが爆発して、両親を殺害してしまったようです。

教育熱心と教育虐待の差

教育熱心と教育虐待にはどのような違いがあるのでしょうか。番組ではこのようにまとめられていました。

教育熱心な親は、子どもは自分とは別人格であると考え、子どもが幸せな状態かどうかをなによりも優先させます。自分が考える道を強制させようとはしません。

対照的に教育虐待をする親は、子どもは親の所有物と考え、自分の満足と成功が大切だけを望みます。自分の行いを正しいと疑いません。

番組後半では、教育ママが紹介されます。

勉強しなかったら激高するような母親で、子どもは顔色を窺いながら勉強します。母親はよく次のように言っていたそうです。「私たち本当に頑張っているよね」と。子どもながらに違和感を覚えていたそうですが、「それが愛情なんだ」と信じ込まされていました。周りからも「お母さんは娘思いだよね」と言われていたそうです。

母親の期待どおり、子どもは第一志望の大学に合格しました。しかし大学進学が最終目標のように教えられていたので、そこから先の目標を立てられませんでした。

小さい時から勉強しかしていなかったのでコミュニケーション能力の乏しさも災いして、人間関係トラブルも絶えませんでした。やがて複雑性PTSDとさえ診断されてしまいました。

以上、子どもの勉強につきっきりになりすぎている親御さんがいましたら、「あれ?これって教育虐待かもしれない」と一度立ち止まって見直すことが大切かもしれません。大学入試が人生の全てではありませんからね。

参考までに。それでは!

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