親は誰しも子供の将来のことを考えて、子供が社会でうまく生きていけるように勉強なり運動なりをやらせようとします。子供のためを思って。
NHKで、親の熱烈指導のもと育った子供が、大人になって過去の不満を親に打ち明けるというドキュメンタリーが番組がありました。このドキュメンタリーは、NHKの現役ディレクターが自分自身を取材している番組なのです。
親としては「我が子はNHKに入社できた」と誇らしく、鼻高々でしょう。教育した甲斐がありました。
では子供は、番組の中でどんなことを打ち明けていくのでしょうか。
その結果、君は俺の思う通りに育ったんだよ
父親は教育熱心でした。子供を成功者にさせようとしていました。
子供が中学生になると「恭一郎訓」なるものを誕生日プレゼントに送っていました。そこに書かれていることは、学校の校長先生の部屋の額縁に掲げられているような、人の道を説いている良い言葉です。父親は子供の為を持って、それを送ったそうです。
番組ディレクターは当時意味がわかりませんでした。
大人になった今でも分かりません。
それを番組内で父親に打ち明けていました。
しかし父親は子供が不満がっている意味が分かりません。
そして笑みを浮かべながらこう言います。
「その結果、君は俺の思う通りに育ったんだよ」
と。
…。
番組ディレクターが不満を持っているのも納得ですね。大人になって父親と対等に話そうとしても、それはできないっぽいです。
毎朝ランニング3キロ、縄跳び300回
この家は、母親も教育熱心でした。
幼少期から剣道を始めさせ、猛烈に練習をさせていました。
小学校になると、学校に行く前にランニング3キロ、縄跳び300回を課していました。
学校から帰ってきて7時になるとテレビを消され、 腹筋、背筋、素振りを1時間。
そしてその後勉強が始まります。
やりたくないと訴えても、これは毎日続いたそうです。
そして大人になり、母親に涙ながらに打ち明けます。
「俺は、テレビが見たかった、もっと遊びたかった」
…。
その後母親が大人になった子どもを、何も言うことなく抱きしめている姿が印象的でした。そして母親に抱きしめられながら、幼児のように目をつむっている番組ディレクターも印象的でした。
子供時代の楽しい思い出を犠牲にして将来社会的に高いポジションを取るのは幸福なことなのか?
子供時代の楽しい思い出を犠牲にして、勉強なり運動に打ち込み、その結果として将来社会的に高いポジションを取る事は幸せなことなのでしょうか?
もちろん幸せな人もいるでしょう。オリンピックのメダリストとかはそうだと思います。
でも子供時代を犠牲にしても、メダルに届かない人ってたくさんいるんですよね。 その人たちは大人になって、子供時代を振り返ったときにどう思うのでしょうか。
運動も勉強も親にそこまで強制されなく、大人になって社会的に高いポジションにつけなくても、「子供時代は最高に楽しかった」と言えた方が、人生は幸せなのかもしれませんね。知らんけど。
教育熱心な親御さんは、いちど見てみる価値のある番組だと思います。
「教育とは、親の言う通りに勉強や運動をさせるだけなのか?」と問うてくるはずです。
ドキュメント20min.ディレクターたちの20min.―オススメ総集編・第1弾 – NHKプラス
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