子どもを一流に育てるためにはどうしたらいいのか?

一流になるために必要なこととは? 親が知っておきたい教育
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「我が子を一流にしたい」

この気持ちは親であれば一度は願うことなのではないでしょうか。

『一流・天才を育てる方法』というのは、ここ20年間くらいの研究でかなりわかってきていることです。というのも、各国は『自分の国からすごい人材を輩出したい』ので、予算が落ちやすく多くの大学が研究しているからです。

 

20年も研究すれば追跡調査もできますし、「今、天才と呼ばれていた人はどういう幼少期を過ごしていたのか?」というのが分かってきています。この知見を子育てに当てはめようというのがこのページの趣旨です。

 

翻訳されている本でもっとも参考になるのが、フロリダ州立大学心理学部教授のアンダース・エリクソンさんの『超一流になるのは才能か努力か?』ですので、是非とも読んでみてください。

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1 一流の人たちを研究して分かったこと

多くの大学の研究から共通して分かったことがあります。

  • 生まれもった特殊な能力やら才能やらというものは見つからない
  • 練習に打ち込んだ総時間数が多い
  • “一人で”打ち込んだ時間数が多い

 

「一流になるためには才能って必要でしょ?」と思い込んでいるかもしれませんが、意外や意外、そんなものは見つかりませんでした

 

それと当たり前のことですが、練習に打ち込んでいる時間がとんでもなく多いことが分かりました。また練習時間でも興味深いことが分かっていて、一人で打ち込んでいる時間が多いことが、一流になるかならないかを分けている差だったのです。

1.2 音楽大学の研究から分かっていること

一流を調べる研究でもっとも有名なのが、『ヨーロッパの一流音楽大学』の研究です。ピアニストとかバイオリニストとかの、将来有望な人たちを育てる大学のことです。

 

この大学に入るだけでもめちゃめちゃ優秀で「音楽で食べていくぜ」的な人たちが集まり、厳しい試験を突破した人たちのみが入れる大学です。そんなとても優秀な人たちが集まったところであっても、その中から“順位”がつけられていきます。

 

  • Sランク・・・スッゲー良い
  • Aランク・・・良い
  • Bランク・・・普通

 

Bランクであっても世間からみれば超スゴイのですが、このグループの中だと見劣りしてしまいます。このグループ間でSランクな人たちは何が違うのか?を調べていき、分かったことがあります。

1.3 始める時期はほぼ一緒

音楽を始めた時期では差が出ませんでした。どんなに遅くとも8歳までには始めています。逆に言えば、超一流にしたければ8歳までにスタートさせなければなりません。

1.4 プロになろう!と思う時期も変わらない

プロになろう!と決めた時期もほぼ変わらず、日本でいうと中学生くらいのときには決めている感じです。(14、15歳までには決めている)

1.5 1日の練習時間もあまり変わらない

この優秀な大学に入っている人たちは、1日の練習時間もほぼ変わりませんでした。みなが1日10時間くらいやっています。

 

ちなみにこの大学に合格する人は、11歳になるころには毎週15時間程度練習していました。

1.6 18歳までの総時間数に差が出ている

18歳までの総時間数が顕著に変わってきました。

  • Sランク:7400時間
  • A、Bランク:5300時間

と、2000時間近く差が出ていたのです。

1.7 一人で練習している時間が多い

大学生たちの練習時間を平均すると50数時間くらいですが、Sランクの学生の練習時間の半分を“一人で”やっていることが分かりました。(先生がいるのは一人の練習とは言わない)

 

Sランクより下の学生は、一人の練習を週に10時間くらいしかやっていませんでした。つまり、一人での練習時間に2倍以上の差が生まれていたのです。

2 一流になるための条件

一流の人たちを調べていった結果、一流になるための条件がある程度分かってきているのでまとめてみます。

  1. 親のサポートがある
  2. 意志力がある
  3. ルール設定が上手
  4. コンフォートゾーンからでる
  5. 孤独に耐える力がある

それぞれ見ていきます。

2.1 親のサポートがある

これは言うまでもないことですが、親のサポートなしに子どもは一流への道をスタートすることはできません。

2.2 意志力がある

「何かをやり続ける」には意志力が必須です。「やる」と決めたらやり続けられるのが意志力です。

2.3 ルール設定が上手

ルール設定がなにかというと、『意志力を省略するため』に必要なものです。なぜかというと意志力は有限のものだからです。

 

練習を始めるたびに「よし、今回はこれをやるぞ!」「次はこれをやるぞ!」と決めていたら意志力を無駄に消費してしまいます。意志力は使うべきところに取っておかないといけないのですね。

2.4 コンフォートゾーンからでる

コンフォートゾーンとは居心地の良いゾーンのところです。何かを練習するとレベルが上がって、昔できなかったことができるようになります。しかし、そのレベルで止まっていては一流にはなれません

 

一流になるためには、絶えず自分のコンフォートゾーンの外側に出るために歯を食いしばって練習をしなければなりません。コンフォートゾーンの外側に出るための練習に意志力を使わなければならず、意志力の消費を節約するのはこのためです。

2.5 孤独に耐える力がある

一流の人は“一人で練習している時間が多い”と言いましたが、これは孤独な練習です。なぜかというと一人だからです。ここにも意志力を使います。

 

また、孤独でいることに“意味”をつけるのもうまいと言われています。例えば、孤独な時間を「さみしいなー」ではなく、「この孤独な練習こそが、自分の技術を高めるんだ」という風に、ポジティブな意味をつけることができるということです。

 

ただ、誰もが一人の練習を「楽しい」とは思っていません。楽しくはないけれど、やっているかいないか、で一流になるかなれないかの差が出てきているということです。

3 一流になるための限界的練習

フロリダ州立大学心理学部教授のアンダース・エリクソンさんは、一流になるためには「限界的練習が効果的だ!」と述べています。

 

限界的練習とは、自分のコンフォートゾーンの外側に出るための練習で、常に自分の能力をわずかに上回る練習に挑戦し続けることを求めます。

3.1 楽しくはない

限界的練習は負荷が伴うため、一般的に楽しくはありません。

3.2 具体的な目標がある

限界的練習には具体的な目標が不可欠です。具体的目標がなければ練習がフワフワしたものになるからです。教師やコーチが、いずれ大きな目標を達成するための小さな目標を計画してあげます。

3.3 フィードバックが必要

限界的練習にはフィードバックが必要です。教師やコーチは学習者にフィードバックを与え修正を促します。

 

ただし、いずれは学習者が自らを評価し、失敗に気づき、必要な修正を行う方法を身につけなければなりません。

3.4 心的イメージを形成する

心的イメージとは、“理想のあり方”のことです。心的イメージを詳細に形成すれうば、自分が心的イメージとどれだけ離れているかを判断することができ、イメージに近づくために行動することができます。

3.5 できるだけ限界的練習の原則を取り入れる

限界的練習は非常に特殊な練習法で、

  • 極めて専門性の高い技術向上を促すような練習法を支持する教師やコーチが必要
  • 高度に体系化された知識も必要
  • 教師やコーチが生徒に教えられるような高度に発達した技能も必要

と、かなり特殊です。

一般家庭からしたら、そんな教師やコーチを雇うのはハードルが高いです。ですから、できるだけ限界的練習の原則を取り入れて練習をすることが大切になってきます。

 

心的イメージの形成の仕方ですが、便利な世の中なので一流のスポーツ選手の動画はユーチューブにゴロゴロころがっています。また、一流のスポーツ選手の練習動画なども探せば見つかるでしょう。それを繰り返し見て心的イメージを形成し、自分の動きと比べ、修正していけば、教師やコーチを雇わなくても限界的練習に近いことができます

4 子どもを一流にするための教育

4.1 生まれつきの才能はないと知る

今までみてきたように、一流になる人は才能なんて言葉で片付けられるものではありません。圧倒的な練習の総時間数があるのです。

 

また、子どもの頃に成功しているからといって、プロになっても成功するわけではありません。例えば、テニスのジュニアプレーヤーのプロ転向後の成績を比較した結果、ジュニア時代の成績がプロ時代の成績に直結するわけではないことが分かっています。

 

普通に考えたらジュニア時代からの差がより顕著になりそうなのですが、そんなことはないんですね。

4.2 チェスとIQの関係

IQが高い方がチェスでも成功しそうなイメージがありませんか?

これもそんなことなくて、結局のところ成功を左右するのはIQではなく練習量です。IQの高さが有利に働くのはチェスを始めた初期段階だけです。なぜなら、IQが高い方がルールを早く覚えられるからです。

4.3 親のサポートは必須

子どもに興味を持たせるのは親の役割です。面倒くさいことでしょうが、親が子どものレベルに合わせて遊んであげることが大切です。一般的に、子どもは親が興味を持っているものに興味を持つ傾向があります。

4.4 褒めて伸ばすことはやがて使えなくなる

ある程度のレベルに進むと、これまでの遊びに近い取り組みとは異なり、真剣な練習に移行しなければなりません。そうなると『褒めて伸ばす』には限界が出てきます

 

練習に対する意欲を子ども自身から湧き立たせなければ、練習は続きません。

4.5 苦しい練習を続けるために

そんな苦しい練習を続けるためには、3つの方法が有効です。

  • 夢を持つこと
  • 目標に向かって並走できる仲間を見つけること
  • 限界的練習を知って、夢を実現する方法があることに気がつくこと

4.6 教師選び

教師選びの最大のポイントは、『有効なフィードバックを与えてくれる教師を選ぶこと』です。子どもを一流の人間にしたいのであれば、その先生が親しみやすそうか?よりも、どれほど上達に貢献してくれそうか?で選ばなくてはなりません

 

ただし、まだ子どもが小さく興味を持たせたい段階であれば、厳しい教師より親しみやすい教師を選んだ方がいいでしょう。

4.7 教師から学びたい最も重要なこととは?

教師から学ぶ最も重要なこととは、『自分で上達していく能力』です。というのも、一流になる人はある年齢ですでに教師より実力は上になっているからです。

 

一流になるならないに限らず、自分より上のレベルに生徒を育てるのが教師のあり方なんですな。

おわりに

このページでは『子どもを一流にするには?』について書いてきましたが、これは子どもだけではなく、大人にも当てはまります。今からでも限界的練習を知り挑戦していけば、一流にはなれなくとも二流以上にはなれるはずです。(肉体年齢に関係があるスポーツは厳しいですが)

 

このサイトでなんども書いてあることですが、結局は子どもは親の背中をみて育ちます。親が努力するならば、その背中をみて育つ子どもは努力が当たり前だという感覚で成長していきますし、毎日ゴロゴロテレビを見たりスマホをいじっている親の背中をみて育てば、ゴロゴロするのが当たり前という感覚で成長していくでしょう。

 

「子どもにどうするか?」ではなくて「まず自分は何ができるのか?」を考えることが大切かと思います。参考までに。それでは!

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