安宅和人さんの著書『シン・ニホン』を読んでいて、「あ、これ、マジなんや…」と思うところがあったのでメモ。
結論を言ってしまうと、PhD取得に費用がかかるのは主要国で日本だけ!ということです。
世界では優秀な学生の奪い合いがおこっている
経済的な理由でPhD取得を諦める…
日本では当たり前の話かもしれませんが、他の先進国だとそうではありません。
米国の研究大学のPhDプログラムの場合、学費・生活費・医療保険が大学からサポートされます。そしてそれが当然になっています。(米国の場合、国を中心としてPhD学生を育成する補助金がある。そして予算を確保できる量しか学生を受け入れない。)
なぜそんなにサポートしてもらえるのか?
そうしないと、優秀な学生が大学に来ないからです。優秀な学生を確保できないということは、国家の衰退を意味します。だからPhD育成に力を入れているわけです。
もちろん日本にもPhDをサポートする仕組みがあります。でも、しょぼいのです。
- 進学段階で保障されているわけではない奨学金
- 日本学術振興会の博士課程特別研究員に選ばれたら240万円が年間支給されるが、選ばれる人は1割程度(博士課程の前半にあたる修士課程では、このサポート制度はありません)
こりゃ、日本の科学力は衰退するよねって話です。
こちらの本によりますと、日本の論文数は停滞しており(日本以外は増えている)、韓国にも2倍近く引き離されています。
また、世界の大学ランキングの500位内に入ろうとすると、一定の質が担保された論文を最低でも年間1000件産生することが不可欠なのですが、日本ではそれができるのは15大学しかありません。他の国と比較すると↓
- 韓国は25大学(人口1億人で調整すると50大学)
- ドイツは39大学(人口1億人で調整すると49大学)
- 米国は127大学(人口1億人で調整すると39大学)
とまぁ、元先進国『日本』みたいな感じになっております。そりゃPhDを取得する学生への条件が悪いんですから、仕方ないですね。
というわけで、PhD取得したいぜ!と思われる方は、日本以外の国で取得するという選択肢を持っていいのではないかなーと。参考までに。それでは!
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