脳科学者としてテレビでおなじみの茂木健一郎さんの『5歳までにやっておきたい本当に賢い脳の育て方』を読んだので、気になったところを備忘録的に記事に残します。
脳科学者からみる子育て
このサイトでも何度か科学的な見地から子育て法を紹介していますが、この本では私が言いたいことをサクッとまとめてくれていました。
「そうですよね〜」とうなずくことも多々ある内容で、とっても面白かったです。
何より読みやすいので、子育てでお悩みの方はぜひ手にとってもらえたらなと思います。
脳の育て方は2段階に分けるべき
賢い子に育てたいのであれば、脳科学的に2段階に分けるべきです。
- 脳の土台を作る期間
- 脳に詰め込んでいく期間
3歳までに人間の脳は約80%までが完成すると言われています。
10歳までには90%が作られるんですね。
だから小さいうちに『できるだけ大きい脳』を作っておくべきなのです。
大きいと言ってもサイズではなく、機能的な脳というニュアンスです。
スマホに例えると、できるだけスペックの高いものにしておこうぜってな感じですね。
幼児期の子育てで、脳のスペックがある程度決まってしまうのです。
高スペックな脳になれば、あとはアプリを詰め込むだけです。
逆に低スペックな脳であれば、アプリを詰め込んでいたら重たくなってくるのです(´・ω・)
と言っても、高スペックな脳にできても、アプリの入れ方がわからなければ宝の持ち腐れなので、ここがやっぱり子育ての難しいところ。
だから子育ては2段階に分けたほうがいいのです。
もう一度同じことを書きます。
- 脳の土台を作る期間
- 脳に詰め込んでいく期間
んで、茂木さん曰く、
「0〜5歳までの間に、できるだけドーパミンを出せるようになる!」
そういう脳を作る育て方をするべきだと言っています。
ドーパミンってなに?
ドーパミンとは脳内の神経伝達物質で、これは嬉しいことや楽しいことがあると分泌されます。
ドーパミンが分泌することで私たちは物事に対するやる気が出てくるのです(`・ω・´)”
脳の土台を作っておくと何がいいの?
根本的な話として、「脳の土台を作っておくと何がいいの?」ということですが、これはメリットしかありません。
ケンブリッジ大学やハーバード大学などの世界の一流大学の教授が口を揃えていうことがあります。
「うちの大学はね、教授が生徒たちに何もする必要がないんだよ」
と。
つまり、脳の土台がしっかりと育った人は、誰かに何かを言われなくても『自分でできる』ということです。
だからこそ幼児教育って重要なんですね。
『教育費はいつかけるべき?教育費のコスパがもっとも良い年齢』でも書いたことですが、幼児期にお金をかけるのがもっともいい子育て戦術になります。
というのも、少ないコストで大きなリターンが返ってくるからです。
今の教育費用的には、子供が大きくなればなるほど教育費高くなっていきます。
だから、高校受験の時や、大学生の時が一番費用がかかります。
でもここですごーく大きな問題が発生しています。
「ポンコツが大学に来ても、ポンコツだから教えることも学ぶことも無い・・・」、極端に言ってみればこんな感じな状況なのです(´・ω・)
政治家やメディアなどが大きな声で言えないことですが、ポンコツが大学に来たって意味ないよ!てなことなんです。
正直な話、大学に行くべき人間と行かないほうがいい人間って、小学生の時点でほとんど決まってるんですよね。
大学に行かないほうがいい人間が、無理に受験してそんなにレベルの高くない大学にいくことは、本人にとってもお金を払う親にとっても辛いことだけなんですよね。
ここで何が言いたいかというと、「大学に進学することが良いことではないんだ!」ということです。
大学に行けばいい!みたいな風潮がありますが、そんなことはありません。
勉強ができるという1つの物差しで子供を見るのは、よくないことです。
いろんな物差しでその子を見てあげることが必要なんですよね(`・ω・´)”
ちょっと話を戻します。
脳の土台を作っておくと、『自分で考えて行動できる』人間になることができます。
勉強なんてそもそも誰かに教えてもらう、つまり受け身でするものではありません。
気になるから自分ですすめていく。
本来勉強とはそういうものなんですね。
そういう子が大学に進むべきで、そんな子はどこからでも学ぶので、別に塾に通わせなくたって本から学ぶし、YouTubeから勉強していくし、スタディサプリなんかを与えておけばOKなのです。
国際バカロレア資格って何?
日本の教育のあり方って、世界からみると遅れています。
IB教育をご存知でしょうか?
IB教育とは国際バカロレア資格を取得する教育のことで、国際バカロレア(International Baccalaureate)取得すると、世界の一流大学への進学ルートを確保することができます。
IB教育を受ける子どもの中には、そもそも日本の小学校、中学校、高校、というルートを通らない人もいるんですって。
普通の認識としては高校まで行くのが普通でしょ!と思うでしょうが、この認識も世界では変わってきているのです。
脳の土台がきっちりできた賢い子が、足並み揃えて高校まで行くっていうのはやっぱりおかしいことなんですね。
できるのであれば、ドンドン進めいくことがこれからの教育なのです(`・ω・´)”
ピーター・ティールの面白い試み
この本を読んでいて「面白い!」と思ったことを紹介します。
ペイパルという電子決済の会社を作ったピーター・ティールはシリコンバレーで影響力を持つ成功者の1人です。
この人が始めたのが『ティール・フェローシップ』というもので、これは若者に2年にわたって10万ドルの資金を提供し、熱中したいことをとことんやれ!というプログラムになります。
このようなプロジェクトをティールが立ち上げた背景には、アメリカの教育制度に対する疑問があったからだと言われています。
「すぐにでも起業したい人にとって、大学は費用が高すぎて時間の無駄であり、場合によっては何の結果ももたらさない」といのがティールの持論だと言います。
ティールの若かりし頃の経験談でもあるそうですが、つまりは「いつまでも大学に行けばいいっていう風潮のまま、大学でのらりくらりとするんじゃない!」ってことですね。
んで、ここからがすっごく面白いのですが、このプログラムへの参加の審査条件ってどんなのだと思いますか?
なんと、『大学に行かないこと、ないしは、大学にいっている人はその大学を辞めること』という条件なのです笑
まぁでも先にも書きましたが、日本では大学が乱立し、行く意味のない大学がゴロゴロあるのです。
そんなところに高い学費払って何の意味があるの?っていうことなんですね。
さらに言えば、今の時代は一流大学に行けたからといって、将来が安泰になる時代でもありません。(もちろん大学に行くのであれば一流大学に行くことに越したことはありません)
AIやロボットが発達して、人間の職業が奪われていくと言われるこの時代の中、『一流大学に行きさえすればいい!』という価値観で子育てをすることは危険極まりないんですね(´・ω・)
じゃあどんな子育てをしたらいいの?
前置きはここまでにしておいて、子育て方法について書いていきます。
といっても、当たり前のことしか書かないので、新しく得る知識はほとんどないと思います笑
- 5感をフルに使う
- まだ〇歳だからできない、という固定概念を捨てる
- 簡単すぎず、難しすぎないチャレンジをさせる
- チャレンジしたことがあれば、すぐに褒めて承認欲求を満たしてあげる
- 年上の子供と遊ばせて、チャレンジする環境を作る
- 子供に自分で選ばせる
- 他の子供と比べない。比べるべきは前の自分
- なぜ?に丁寧に答えてあげる
などですね。
口に入れるのをやめさせない
赤ちゃんは何でも口に入れたがります。
その度に「汚いからだめ!」と言ってしまいたい気持ちもわかりますが、それはやめてください。
赤ちゃんはまだ視力が未発達なので、目ではなく舌でモノを判断します。
これを『共感覚』といい、触覚刺激から受けた情報を資格情報としても共有することができる、赤ちゃんだけが持つ能力なのです!
好奇心は脳を発達させます。
だからどんどん赤ちゃんの好奇心を満たせてあげましょう。
もちろん、口に入れたら危険なものを置いておかないということは前提条件です(`・ω・´)”
サイレント・ピリオドを知っておこう
私は知らなかったことなのですが、サイレント・ピリオドという状態を子供が示す時があります。
サイレント・ピリオドとは文字通り『黙ってる』ことなのですが、例えば子供を新しい環境に連れて行った時、他の子供は先生の真似をしているのに自分の子だけ固まっているということもあると思います。
こういうのを見ると親は「うちの子大丈夫かしら?」と心配になってしまいますが、これがサイレント・ピリオドなのです。
表面的には何もやってないように見えるのですが、脳内の神経細胞はしっかりとつなぎ合わさってるんですって。
だからある一定の期間を超えた時に、それがアウトプットされ表現できるようになるのです。
ホームスクーリングとは?
ホームスクーリングって言葉を聞いたことがありますか?
最近注目されている教育スタイルで、家庭を拠点に学習を行う教育になります。
つまり、親が教師役を担って通信講座を受けるのが一般的なスタイルらしいです。
んで、これの興味深いところが、普通に学校に行ってる子供よりも、ホームスクーリングを受けている子供の方が成績がいいということです!
「でもそれって、頭いい親が教えてるからでしょ?」って思はずですが、そんなことありません。
普通の学校に通っている子供は、親の学歴が高いほど子供の成績も良くなるのですが、ホームスクーリングを受けている子供の場合、親の学歴と子供の成績には関係が見られないんですって!
まぁまだまだ明らかではないでしょうが、すっごく興味深い話だなぁと私は思います。
でも、普通に考えたらそうかもしれません。
スタディサプリのようなオンライン学習がある今、教え方がそこまで上手くない学校の教師に学ぶより、一流の講師から学んだ方が学力高くなるんじゃね?っていう話ですよね。
小学校に上がるまでにしっかりと教育を!
ホームスクーリングが外国で流行ってるから!と言って、自分の子供を学校に通わせないという判断は普通は下さないと思います笑。
だからこそ、小学校に入る前までにしっかりとした教育を親がやってあげるべきなんですね。
茂木先生もこのように言っています。
おそらく、日本のお父さんお母さんの多くは、「教育は外でやってもらうもの」だと思っているのではないでしょうか。そのため、これまでは自分で子供の遊びや学びのカリキュラムを考えることはやっていなかったはずです。
しかし、自分の子供のことを一番よく知っているのは親です。
その意味では、親が子供に最適のカリキュラムをつくるホームスクーリングは子供の本当の賢さを伸ばす、最良の学ばせかたといえるのです。
モンスターペアレントと言われる人たちは、学校に全て任せっきりというイメージが強いです。
違いますよね。
教育は外でもやるし、家でもやるものなんです。
この辺りは子供を全員東大に入れた佐藤ママの教育法が参考になると思います。
親は環境をつくってあげることしかできない
この本で一番共感を持てたのが『親は環境をつくってあげることしかできない』という言葉です。
これは親とかリーダになる人の条件だと思うのですが、親やリーダーがするべきことは『人が成長できる場を維持すること』だけだと思うんです。
これは子育てやリーダーを経験したことがある人ならわかることだ思います。
- これをしなさい!
- これで勉強しなさい!
とか言ったって、ほとんど意味がないんです。
大切なことは、
- 学べる環境を作る
- ちょっと背伸びさせるチャレンジ環境を作る
- 失敗を許容する環境を作る
ことだと思うのです。
心の安全基地を作る
子供に何かチャレンジをさせたいのであれば、失敗しても大丈夫と思わせてあげることが大切です。
それで大切なのが『膝の上』なんですって。
子供はすぐに親の膝の上に座りたがります。
なぜかというと、そこが落ち着くからです。
そこを安全基地として、興味の向くまま外の世界(知らない世界)を探索しにいきます。
探索した場所でちょっと怖いことがあればすぐに安全基地に戻って、心を休ませるのです。
休息が済んだらまた探索に出かけ、疲れたらまた安全基地へとを繰り返し、子供は成長していきます。
つまり安全基地は親そのものであり、親の愛情があるからこそ、子供は外の世界に出かけることができるんですね。
まとめ
いかがだったでしょうか?
この記事では『茂木健一郎さんの5歳までにやっておきたい本当に賢い脳の育て方』について書いてきました。
とても読みやすいし、学べることもたくさんあると思うので、是非とも手にとっていただけたらなと思います。
簡単にまとめます。
- 小さい頃に脳の土台をつくってあげる
- 小学生に入るまでは親がちゃんと教育してあげる
とまぁ当たり前のことなんですけどね笑。
でも、当たり前のことを当たり前にするのが難しいことなんですね(´・ω・)
子育てを本気でやろうと思ったら超大変です。
核家族でおじいちゃんおばあちゃんの助けがないのであれば、なおさら大変です。
これは私の個人的な意見ですが、子育てが大変すぎるのであれば、一度実家に戻って、ちゃんと子育てができる環境を作ることが大切なのかなぁと思います。
3歳までに脳の80%ができることは先に書いた通りですが、それだけ赤ちゃんの頃の教育は重要になってきます。
人類の歴史を見ても、核家族という家族スタイルは異常なんですね。
人類はずっとおじいちゃん、おばあちゃんを含む家族で暮らしてきました。
そんな環境で子育てをしてきたのに、洗濯機や冷蔵庫が進化し家事が楽になったからと言って、強引に核家族のスタイルになってしまいました。
その環境が子育てに適しているとは言い難いのですね・・・。
ということで、できるのであれば子供を育てやすい環境をつくってみてはどうでしょうか??
今回の記事も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
*子育て関連記事
コメント