教師は忙しすぎて、自分の授業力を高めるために時間を割くことができないということは、このサイトで何度もお伝えしていることです。
だから、子を持つ親の皆様は、「教師って大変だなぁ」と思うと同時に「子供を教師に任せっきりではダメだ」と考えて行動しないとダメです。
さて、前置きは置いておいて、尾木ママこと尾木直樹さんの『教師格差 ダメ教師はなぜ増えるのか』を読んだので、メモに残そうと思います。
親の方々は、一度目を通しておくと良い本だと思いますよ!
広がる教師格差
尾木ママはこう言っています。
「授業力やコミュニケーション能力、社会常識の低いダメ教師も増えている」と。
私がよく言うことなんですが、
- 授業力
- コミュニケーション能力
- 人格
この3つが揃っている教師って一体どれほどいると思いますか?
私はほとんどいないと思っていて、その教師に我が子が当たるかどうかは運次第です。
小さい時に素晴らしい教師に出会えればいいですが、中学三年生くらいで出会うかもしれませんし、出会わないまま義務教育を終えるかもしれないのです。
教師が病む理由
精神的にまいってしまう教師が増えているとのことで、その理由は、
- 子供と関係のない文章作成などの事務処理が多く、残業時間が増える
- 教師間のいじめがある
- 教員会議で話しあったとしても校長の一言で片付けられる
- 部活動指導などで休日が潰れる
などなどがあります。
このような話をすると「もっと仕事をてきぱきしたら、残業なんか減るよ!」とか、「労働環境がきついなら、一社会人として自分たちで行動して変えていけよ!」という意見が出ます。
確かにその通りだし、教師自身の意識改革であったり、行動改革が足りないとは思います。
だけどもそのような学校構造の中で、教師だけで変えていくのってかなり難しいことなのです。
人は周りに流されていくものですしね。
それに、教師たちが立ち上がったとしても、定年間際の校長は、定年まで安泰に過ごしたいでしょうから、そのような改革には意欲的にはなれないはずです。
この問題については教師もそうですが、教育委員会、保護者の全員で変えていかなくてはなりません。
簡単にできることといえば、
- モンスターペアレントにならない
- 個人懇談の時間に遅れない
- 些細なことで教師に電話しない(最近では教師の携帯電話に深夜にかける人もいるのだとか・・・)
- 子供の宿題は親が見てあげる
などです。
一人一人が少し変えていくだけで、教師の負担は軽くなるはずです。
本を読まない教師
本を読まない教師が増えていると尾木ママは言います。
これはあくまで尾木ママの経験だそうですが、講演会などで「この本を読みましたか?」と質問すると、一般の社会人と比べて教師は本を読まない人が多いのだとか。
だから自分の教科しか知らない教師も多く、時事用語などについては世間並みの知識すら持ち合わせていない人がいるのです。
ちょっと前もニュースでありましたよね。
子供が「将来の夢はプログラマーです!」と言うと、教師が「プログラマーは年収が低いからやめなさい」と言った話です。
もちろん低年収のプログラマーもいるでしょうが、フェイスブックやグーグル、マイクロソフトなど、世界の大企業の一流プログラマーとして働いている人は高年収をもらっています。
今やパソコン・スマホ・ネットがインフラとなった時代ですので、プログラマーは夢がある職業だと私は思います。
本を読まない世間知らずの教師が、自分の狭い世界の知識だけで、子供の夢を潰すことはあってはならないことです。
まぁこれは教師だけに限らないことですけどね(´・ω・)
本を読むということは、最も簡単に自分の知らない世界を知ることができます。
その道のプロたちが本にしてくれているのですからね。
教え方を塾講師に学ぶ教師
教師の授業力をあげようという視点から、進学塾の講師を招いて教師の研修を行うことも増えてきているそうです。
進学塾の大手『早稲田アカデミー』では、2007年3月から、教師を対象にした『教師力養成塾』を開講しています。
これについては私は呆れるしかありません。
教師というのはプロのはずですよね?
そうであるならば、自費でそういう研修に参加することはいいでしょうが、税金を使ってそのような研修に参加することは反対です。
もう、塾の講師に『公務員』という待遇を与えて、学校で授業をやってもらえればいいじゃないですか・・・。
というか早く学校教育にスタディサプリを導入すれば、いいじゃんというのが私の考えです。(尾木ママがこの本を書いた時にはスタディサプリはありませんでした。)
指導力のない教師から授業を受ける子供たちはかわいそうすぎますよね。
授業の下手さで、子供が勉強嫌いになるような教師は必要なしです。
尾木ママ的には教師と塾講師は役割が違っていて、塾講師は講義に特化しているけど、教師は講義だけではなく、生活指導やら運動会などの行事や部活動もするなど、子供の全体的な成長に関わっていくといいます。
でもこれに対しては、私はすごく反論的で、今の教師は全てにおいてどっちつかずになっていると思います。
講義にしろ、生活指導にしろ、運動会などにしろ、部活動にしろ、全てが中途半端になってないですか?
学校にはたくさんの行事があるのは確かなことです。
しかし、学校で最も時間を占めるのはやはり授業なのです。
その授業の質が悪いというのは、教師としてダメじゃないかなぁと私は思うわけです。
教員採用試験の競争倍率の低下がもたらす質の低下
採用試験をする理由はというと、『できるだけ優秀な人を採用したいから』です。
だから、採用試験の競争倍率が低下すればするほど、優秀ではない人も採用しなくてはなりません。
今、教員採用試験ではそれが起こっています。
「教師は激務だし、モンスターペアレントなどのやばい親と関わるのは大変」と聞けば、優秀な人であるならば、給料が良くて、休みも多くて、切磋琢磨できる環境に行くのが普通ですよね。
わざわざ倍率が低くて、質の低下しているところに就職しようとは思いません。
教師と親
教師の質は低下したかもしれませんが、保護者の質も低下しているのでは?という話です。
尾木ママのアンケート調査によると、教師側からみた保護者に対する悩みでは次のようなものがありました。
- 保護者の教育力がなくなり、学校への要望が増えた
- 保護者が考えるべきことまで、教員が口を出さなければならない
- 子供同士のトラブルが起きた時、親が一緒になってトラブルになるケースが増えた
以前では考えられないような無理な要求やクレームが教師に対して飛んでくるようになったそうです。
本を読んでいて笑ってしまったことなのですが、通学路に犬のフンが落ちていて、それを子供が踏んだ時に、通学路なのだから学校側に管理責任があるはずだ!と言ってきた保護者もいたそうです。
ダブルモンスター
母親と父親がモンスター化して学校にクレームをつけてくることも増えてきているそうです。
ちょっと前までは『母親』がクレームをつけてきたそうですが、今では父親が先頭を切って学校にクレームをつけてくるケースも少なくなく、なんなら両親が揃って学校にくることもあるのだとか。
こうした保護者の行動に学校側ではマニュアルを作るところもあるそうです。
マニュアルを作るくらいですから、珍しくないのですね。
給食費を払わない親
少しデータが古いですが2005年の全国の小中学校の給食費未納額は、約22億3000万円になっており、未納者数は約9万5000人になるそうです。
給食費を払わない人の意見としては、
- 義務教育なのだから払う必要はない
- 子供の好きなものを出してくれない
といった超絶わがままな理由もあるのだとか。
そして、給食費未納の回収は教師がやる羽目になるので、余計に多忙になるんですね・・・。
学歴差別する親
教師が自分より下の大学だと、教師を蔑視する保護者が増えています。
最初から教師に対して敬意を抱こうとしない保護者が増えてきており、そういう親の姿を見て、子供も教師に敬意を抱かなくなると尾木ママは言います。
これ以外にも、学校教育より塾を重視する姿勢を親が見せていると、子供も学校の教師より塾の講師に信頼を寄せるようになります。
教師と保護者の問題はこういうところにもあるんですね。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回の記事では尾木ママの教師格差を読んだので、気になるところをメモ的に残しました。
私が気になったところだけでは偏りが出てくるので、是非とも手にとって読んでみてください。
教育現場を変えるのは、教師だけでなく、保護者の方々の意識がすごく重要だと思います。
ということで、未来ある子供達のために、私たち個人個人の意識を変えていきましょうね(`・ω・´)”
まずは、教師の負担を軽くするためにも、教師が教えること、親が教えることをはっきりとさせることが大切かなと思います。
今回の記事も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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