過去の記事では『正しい方向を向いて勉強すること』、『観察力の鍛え方』、『抽象化能力』などを通して、学力を向上させることについて書いてきました。
今回の記事では、テストの得点を上げるための『判断力』についての記事になります。
いかに早く正確に問題を解くことができるかが、時間制限のあるテストでは必要になります。そのためには『判断力』が必要なんですね。
この力は勉強だけでなく、日常生活など、様々な場面で求められる力だと思うので、是非参考にしていただけたらと思います。
判断力を高めるために必要なものとは?
『判断力』を高めるものはなんでしょうか?
まずはそれについて書いていきたいと思います。
必要な2つのモノ
判断力という抽象的な能力をどうやったら高めることができるでしょうか?
何かを『判断』する際、私たちは2つのことを脳内でしているはずです。
- 状況を観察する
- それに適切な知識を用いる
の2つです。
つまり、判断力に必要なものは『観察力』と『知識』になります。
状況を観察する力がなければ、そもそも問題の内容を認識できないし、観察できたとしても知識がなければ問題を解決することができません。
この2つの能力が合わさって、正確な判断をすることができます。
知識と判断力
初学者の場合、判断ができない理由は『知識』にあります。
知識を蓄えれば蓄えるほど、どんどん判断力は上がっていくでしょう。
しかし、知識というものは人間の限られた記憶力では無限に覚えることができないので、過去に記事にしたことがある『抽象化能力』が必要になってきます。
観察力と判断力
ある一定以上の知識が脳内に蓄えられれば、大体の問題は解くことができるようになります。
しかし、解けない問題もあります。
なぜ解けないのか?それは知識がないからではなく、『観察力』がないのが理由になります。
観察力があるかないかで、解くことができる問題に幅が生まれることになります。
ある一定以上から成績が伸び悩んでいる人の問題点は『知識』よりは『観察力』にあると考えてください。
『観察力』については過去記事で触れているので、参考にしてください。
テストにおいて判断力が必要な理由
さて、なぜテストにおいて判断力が必要なのでしょうか?
素早く問題を解くためだけでしょうか?
もちろん、それも重要なことです。しかし、『テスト』という小さな箱庭の中では判断力の重要性はもう一つあります。
解けない問題は素早く諦めて次の問題に進むため
です。
どういうことかというと、テストは時間制限があるので、できるだけたくさんの問題を解いた方が良いということです。
例えば、ある大学入試の数学の問題で大問が3つあったとします。2つは誰でも解ける問題だけど、1つはめちゃめちゃ難しい問題だったとします。(大問ごとに30点とし、全部解けたら90点満点というテストだとします。)
A君は、自分では解くことができる大問2つを解いて45点でした。
B君は、めちゃめちゃ難しい問題に挑戦してなんとか解くことができましたが、時間をかけすぎたので、他の大問を解くことができずに30点でした。
さて、この2人は、どちらが大学に合格できる確率が高いでしょうか?
正解はA君になります。
B君は難しい問題を解くことができて、A君は誰でも解けそうな問題を解いただけなのに、合格の可能性はA君の方が高いのです。
これが、大学入試の現実なのです。
どれだけ難しい問題を解くことができたか?ではなく、どれだけ落としてはダメなところできちんと正解することができたか?を問われるのが大学入試なんですね。
与えられた試験時間内に、解くことができる問題を数多く見つけて、正解できた人が合格していきます。
そのために必要なのが『判断力』なんですね。
- 自分の知識で解くことができるのか?
- 自分の観察力で解くことができるのか?
解けそうな問題を素早く見つけて、解けそうになければ、さっさと諦めて次の問題に進んでいくのが賢明な戦術になります。
普段の勉強と判断力
これはもちろん日頃の勉強にも当てはまります。
どうみても自分が解くにはまだまだレベルが高そうな問題を、時間をたっぷりかけて解説書を見ていくよりも、ちょっとレベルが高そうな問題を数多くこなしていくほうが経験値がたまります。
こういうことにも判断力は必要ですよね。
得点をあげやすい教科や分野に重点を置いて勉強するということは、受験の戦略とも言えます。
テストの点は高ければ高いほど良いですが、受験というものであれば、合格しさえすれば良いのです。合格ラインが7割なら3割間違えてもいいし、合格ラインが6割なら4割も間違えてもいいのです。
合格するのに満点は必要ありません。(受験なんて関係ないぜ!って方ならば満点を、その分野の専門家になれるような勉強をしましょう)
始めから選択を絞ることの危険さ
受験に合格するためであれば、先にあげたように、得点をあげやすい教科や分野に重点を置くべきですが、この選択はあくまで受験が具体的な視野に入ってからやるべきで、勉強の初期段階で行なってはダメです。
例えば、
「私は国立大学を受けずに私立だけを狙うから3教科しか勉強しない!」
という選択を取ることは、自分の将来の選択肢を狭めていることになります。
他にも、勉強のし始めの頃は『得意分野』や『苦手分野』という意識は、単なる感覚の場合のことが多いので、勉強をし続けてたら、苦手だと思っていた教科や分野が得意になることは大いにあり得ます。
だから、始めから選択肢を絞ることはおすすめしません。
選択肢を絞るのは『受験が具体的になってから』で十分です。
本当に私立の勉強だけでいいの?
国立と私立では教科数が違うので、圧倒的に私立の方が対策しやすいです。東京大学志望の人が早稲田や慶応に受かることは全然ありますが、その逆は難しいです。
その理由は国立と私立の違いであり、教科数の違いになります。
世間で話題になった『ビリギャル』が一年で慶應大学に合格できたのは、科目が少ないからです。(確か英語と小論文だけ。だからあの小説や映画を鵜呑みにすると痛い目にあいます)
数学・国語・英語・社会・理科、この5教科全てに対策をとるとなると、やはり勉強は大変になります。
だから「国立大学の対策は難しいから」といって安易に私立大学に逃げようとする人がいますが、正直もったいない話なんですね。
というのも、複数の教科を勉強していけば『抽象化能力』を高めることができるからです。
抽象化能力は学力の根幹となる能力であり、これを養うためには複数の分野から脳に刺激を与えた方が確実にレベルアップします。
『受験』だけが目的であるのであれば、私立でも良いでしょう。
しかし、『人生をどう生きるか?』が今の私たちに与えられた目的なのですから、その目的をよりよくするためには抽象化能力を高めておいた方が良いです。
「文系だから数学や理系の知識は全くありません」って、滞ることなく科学技術が進歩している時代に適合できるでしょうか?
世の中の変なデマや情報に振り回されないためには最低限の『理科の知識』は必要です。
学生という間に、そういう基礎的な部分を勉強しておくこと、そして抽象化能力を高めておくことは、決して損なことではありません。
それに、より多くの教科を学習することで、より高い抽象化能力を獲得でき、結果として各教科の能力が高くなるということは多々あります。
抽象化能力を高めれば高めるほど、
『点と点が繋がって線になる』
感覚を多く経験できると思います。繋がった線は記憶にも残りやすいですから、知識から知恵にも昇華していくんですね。
うだうだと書いてきましたが、言いたいことは『始めから安易な方向で教科を絞るな!』ということです。
複数の教科を勉強し、様々な方向から物事を観れるような頭にバージョンアップしておけば、後々便利になることが多いのです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回の記事では『判断力』について書いていきました。
過去の記事と合わせて読んでいただけたら、かなる理解が深まったのではないかと思います。
それでは今回の記事を簡単にですがまとめます。
- 大学入試という狭い枠組みの中では『判断力』は大いに役立つ
- 解けそうにもない問題は早めに見切りをつけて、次の問題を解く判断をすべき
- 判断力に必要なものは『知識』と『観察力』
本日も最後まで記事を読んでくださり、ありがとうございました。
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