読書と学力には関係性があるのかな?
そんな疑問に答えます。
結論からいうと、読書と学力に因果関係があることは分かっていません。
中室牧子先生のこちらの本を参考にしています↓
*記事の内容を簡単に動画でまとめています↓↓↓
読書と学力は相関関係
文部科学省は「全国学力・学習状況調査」という学力テストを用いて、子供の学力と家庭環境にどのような関係が見られるかを分析しています。その結果、「親の年収や学歴が低くても学力が高い児童の特徴は、家庭で読書をしていること」と分析しています。さて、この結果についてどう思われるでしょうか?
「学力と読書が関係あるんだから、子どもに読書をさせよう!!」と思われたのではないでしょうか。実際、多くのメディアでは「子どもに読書をさせるべきだ」と報じたそうです。
1 読書と学力の関係性は分からない
しかし、中室さんはこれについて「正しくはない」と否定しています。これについてはどちらが原因で、どちらが結果かわからないからです。どういうことかというと、
- 『読書をしているから学力がある』
- 『学力があるから読書をしている』
のどちらだと思いますか?
そうなんです。これはどちらかわからないのです。このような関係性を『相関関係』と言います。「AとBについては関係性がありそうだな」くらいに思っておいてください。
『相関関係』と似て非なる言葉に『因果関係』があります。これは、「Aという原因によってBという結果が生じた」ということなので、AとBには関係性があると確実に言えます。でも因果関係があると分かっていることは少ないのですよ。
話を戻して、今回でいう学力と読書の関係性は『因果関係』ではなく『相関関係』です。だから、読書をする子どもの学力が高いのか、学力の高い子どもが読書をしているのか、はっきりと断定することはできません😅
相関関係と因果関係を混同してしまうと、「子どもに本を与えておけば頭が良くなる!」と勘違いしてしまいます。それで無茶な子育てをしちゃいけませんよ〜っていうのが中室先生の提案です🤔
2 本以外の学力の関係性
子どもの学力に影響を与えるものは『読書』だけなのか?という話ですが、
そんなことありません。
- 家庭環境
- 運動習慣
- 食事内容
と、読書だけが子どもの学力に関係するわけではありません。子どもに本を買い与える親は教育熱心でしょう。ですから読書以外にも、いろいろと勉強を促すような環境を整えている可能性があります。この要素を無視して「読書している子は勉強ができる!だから本を買い与えよう!」というのは微妙な判断なのですよ😅
こういうことは言われなくても分かるはずですが、メディアが「読書と学力は関係がある」なんて言っちゃうと、ついつい短絡的思考に陥って信じてしまいがちです😅
学力というものは多くの『要素』が組み合わさっているので、どれか一つの要素を切り取って「これだ!」なんて言うことはできません。これは子育てにとってとても重要な考えですので、是非とも心の中に留めておいてください。
おわりに
今回の記事では『読書と学力の関係性』について書いていきました。
それでは今回の記事を簡単にですがまとめます。
- 読書をしているから学力が高いのか、学力が高いから読書をしているのかはわからない
- だから、子どもに本を買い与えればOKという話ではない
- 子どもの学力は複雑な要素が絡み合っている
是非とも相関関係と因果関係については理解しておいてください。それでは!
>教育関係者なら絶対に読んでおくべき中室牧子さんの『学力の経済学』
追記:といっても本は読んだ方がいい
頭が良くなるから!とかの理由でなくても、本読んだ方がいいです。本を読むことで知識を得ることができますから💡
ちなみに、自分が本を読まないのに子供に「本を読みなさい!」といってもダメです。子供は親の背中を見ています👍
親が楽しそうに本を読んでいれば、自然と子供も本に興味を持つようになります。子供に本を読んでもらいたいのであれば、まずは自分が楽しそうに本を読むようにしてください😁それでは!
コメント