親が子にできる教育とは?
色々な答えがありますが、1つが「最高のお手本を見つけること」だと思います。
今回の記事は、ペンシルベニア大学ウォートン校教授、アダム・グラントさんの『ORIGINALS』を参考に書いていきます。
最高のお手本を見つけよう!
お手本となる人物を見つけることで、子どもたちは変わると思いますか?
心理学者ペネロペ・ロックウッドとジバ・クンダは、大学生を対象にした実験を紹介します。
大学生に、「これから10年のうちにどんなことを達成したいか?」をあげてもらったところ、なんの変哲もない平凡な目標が返ってきました。
そこで、もう1つのグループには、優秀な大学生について書かれた新聞の記事を読んでもらった後に、同じような質問をしました。
すると、お手本を見せられることで、目標が高くなったのです。
つまり、お手本となる人物を知ることで、目標は変わっていくということです。
子どもに目標を持たせるのは親ではない?
30代のラドクリフ女子大学卒業生数百人を対象に、「自分の人生にもっとも影響を与えた人物は?」と質問したところ、大部分が
- 親
- 先生
と答えました。
その17年後、心理学者のビル・ピーターソンとアビゲイル・スチュワートは、彼女たちが子どもたちの成長にどれくらい貢献しているかを調べました。
その結果、影響力ある女性の中で、親をあげた女性は1%に満たないことが分かりました。
オリジナリティが豊かな女性は、15年以上も前に親からではなく教育者から影響を受けていた女性たちだった。
影響をおよぼした人物に教育者をあげた人は、世界を良くしようと願う女性の14%を占めていた。p270
子どもにとって親は大切です。
しかし、子どももいつかは親の元を離れていきます。
親の価値観だけで子どもを成長させることはできません。
他人からの価値観を受けることは必然で、良い価値観を形成させたいのであれば、それなりの人物と出会わなければならないのです。
著者はこう言います。
親は、子どものオリジナリティを育んでやることはできるか、いつかはそれぞれの選んだ分野で、能力を発揮するための手本をみずからが見つけなくてはならない。
親ができることは、何よりさまざまな分野においてお手本となる人物を紹介することだろう。p270
我が子が大切なら、小さいうちに、“一流”に触れさせておけということですね。
- あんな大人になりたい
- 自分が小さな世界に住んでいることを知る
- 色々な大人がいることに気がつく
こういうことが大切なのかと。
お手本者の見つけ方
良い指導者を見つけることは難しいですが、手本となる人なら意外と簡単に見つかります。
それが、
“歴史上の人物”
です。
だとしたならば、親が歴史上の人物を知っておかなくてはなりません。
また、意外かもしれませんが、架空の人物がお手本となる場合もあるようです。
有名な起業家たちに「好きな本は?」と聴くと、
- 起業家のイーロン・マスクとペイパル共同創業者のピーター・ティールは『指輪物語』
- フェイスブックCOOのシェリル・サンドバーグとアマゾン創業者のジェフ・ベゾスは『時空のシワ』
- フェイスブックのCEOのマーク・ザッカーバーグは『エンダーのゲーム』
- アリババの創業者のジャック・マーは『アリババと40人の盗賊』
などをお気に入りの本とし、影響を受けたと言います。
驚くべきことですが、奇抜な目標を達成する子ども向けの本がたくさん出版されると、次の世代の人たちはイノベーションを起こす可能性が高いと言う研究もあるそうです。
- 潜水艦やヘリコプターの発明家はジュール・ヴェルヌの海底二万海里に
- 歴史上もっとも古いロケットの1つは、ハーバート・ジョージ・ウェルズの小説に
- 携帯電話・タブレット・GPSなどは映画『スタートレック』を見た人たちに
次なる世代はJ・K・ローリングのハリーポッターに影響を受けると予想されてるのだとか笑
本の影響はイノベーションだけでなく、
最近の実験によると、『ハリー・ポッター』を読むことで、社会的なマイノリティの人たちに対する子どもたちの姿勢が向上するとのことだ。
登場人物のハリーやハーマイオニーが、純粋の魔法使いではないために差別を受ける様子を目の当たりにすると、子供たちは同情し、現実に存在するマイノリティたちに対して偏見を持つことが少なくなるのだ。p274
こういうことにも影響を与えるようです。
まとめ
この記事では『親が子にできる最良の教育とは?』について書いてきました。
簡単にまとめると、
- お手本となる大人に子どもを引き合わせる
これが、教育で大切になります。
ただし、そう簡単に我が子にお手本とできるような一流の人を紹介することはできません。
そこで大切になることが、“歴史上の人物を紹介すること”です。
本屋さんにいけば偉人の本がたくさん並んでいます。
それを子どもに読ませてあげてください。
ただし、親も読まないとダメですからね。
子ども「ねーねーお母さん。この人はなんでこういうことしたの?」
と質問された時、
お母さん「さぁ?お母さんその人知らないからねー」
それでは、全然説得力がありません(´・ω・)
ということで、子どもに本を紹介する前に、お父さん、お母さんで本の内容を吟味してみてください!
今回の記事も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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