【読書メモ:パパは脳研究者 子どもを育てる脳科学】おもしろすぎました!

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面白かったー。池谷さんの本は最高にわくわくさせてくれる!! #読書 #パパは脳研究者 #池谷裕二

福山和寿さん(@fukuyama_kazutoshi)がシェアした投稿 –

脳研究者の池谷裕二さんの『パパは脳研究者 子どもを育てる脳科学』を読みました。

この本は池谷裕二さんの娘の成長記録を、脳研究者の立場から観察・分析したことをまとめたものになります。
池谷さんの本はこれで5冊目?くらいなのですが、まぁ知的好奇心が刺激されて全部おもしろい笑!!

多くの方に手にとってもらえたらなーと全力でオススメできる本です!!
いつものごとくメモしていきます“φ(・ω・。*)カキカキ

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パパは脳研究者を読んで

池谷さんの子育ての考え方

あたなが思う良い子ってなんですか?

世間一般的に言われる“良い子”って、

  • 親にとって都合が良い子
  • 大人が扱いやすい子

です。

これに対して池谷さんはこう言います。

「それって真の意味で教育なの?」と。

この考えについては私も100%同意です。
子どもは親のペットじゃないですからね。(子どもにペットだけの可愛さを求めるのであれば、子どもは作っちゃダメです・・・と、怒られそうなのでこの辺でこの話はオワリ!)

私が考える本来の育児の姿は、「親の希望通りの子に育てあげる」のでなく、むしろ「親なんていなくても立派にやっている子になる」ように導くことです。親に依存することなく、親を不要とする子に育てるのです。p3

私もその通りだと思います。
親はほぼ必ず子より先に死にます。

「次は何すればいいのママ?」とお墓の前に立たれたくないのであれば、親を必要とせず、しっかり自分の頭で考えれる子どもを育てるしかないんですね。

もちろん、子育ては何が正しいかは実に難しい問題で、本当のところは、この教育方法で良いのかは、私自身にも確固たる保証があるわけではありません。ただ、私が25年間、脳研究を続けてきた経験から、娘にとってきっと良いだろうと信じる方法、つまり、強い干渉を避け、娘の思考力や論理力の発達をサポートするような方向で育てています。p214

池谷さんは“自立”を促す教育方針なので、同じような考えをお持ちの方はこの本を読むとタメになることだらけだと思います(`・ω・´)”

母親とのコミュニケーションを大切にすることを選んだ

授乳経験者ならわかることでしょうが、赤ちゃんはおっぱいを30秒くらい吸って15秒くらい休憩します。(生後1ヶ月の場合。2ヶ月ごろになると15秒くらい吸って8秒くらい休む)

なんで休憩するの?って話ですが、私たちの考えからすれば「飲んでる時って呼吸ができないから、呼吸するために休憩するんじゃないの?」だと思います。
でも、赤ちゃんの呼吸器系って大人と違っていて、おっぱいを吸いながら呼吸をすることができるんですね。(これはサルと同じ呼吸器系になります。ヒトは3〜4ヶ月すると声を出すために咽頭が下がり、食事と呼吸を同時にできなくなります。)

つまり赤ちゃんは呼吸のために休憩なんかしなくてもおっぱいを吸い続けることができるのです。

授乳時って無防備ですから外敵に襲われるのを避けるためにも、素早く授乳を完了させたほうがいいはずなのですが、“あえて休憩”をいれています。

それはなぜか?

赤ちゃんはしばし止まって、お母さんの反応を待っているのです。試しに、吸っているときにわざと揺らしてみると、吸うのをやめます。これは一種のコミニュケーションです。p15

コミュニケーションの最初は『授乳』から始まっているんですね。
お母さん、授乳中にスマホ触ってる場合じゃないですよ!!!

クーイングには応える

2ヶ月ごろになると、「あー」やら「うー」やらの母音を発音するようになり、これを『クーイング』と言います。

子育てで大切なことが、赤ちゃんのクーイングに親が応えてあげることです!
まぁこれはよく言われることですね。

んで、これを知りませんでした。

最初のうち、赤ちゃんは「あー」と出している声が、自分のものとは気づいていません。しかし、次第にそれを認識し、3〜4ヶ月頃には親が返す声を聞いて「あ、お母さんは私の声をマネしてくれている」と気づくようになります。p17

なるほどーと思いました。
これもコミュニケーションの1つですね。

クーイングも奥が深いです。

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栄養だけでは生きられない

子供に、栄養だけをしっかりと与えていればすくすくと育っていくと思いますか?

そんなことなくて、ヒトにはコミュニケーションが不可欠なのだそうです。

戦争では多くの孤児が生まれました。精神科医のルネ・スピッツは孤児院で調査を行いました。当時すでに、子供の健康には栄養や衛生が重要である事は認知されていました。孤児院でも十分な食事と清潔な部屋が準備されました。唯一足りないものはコミニケーションです。孤児院には多くの子が集まりましたから、慢性的な人手不足に陥っていました。介護者たちが乳幼児一人一人と十分なコミニケーションを図る余裕はありませんでした。調査の結果、91人中34人が2歳までになくなってしまいました。p45

生存した孤児についても成人後、発達障害や精神障害が多くみられたそうです。

お父さん、お母さん、スマホばっかり見ていてはダメなんです!

オキシトシンの意外な作用

オキシトシンって今では広く知られた言葉だと思います。
赤ちゃんとか可愛い動物を見たときにでる、幸せを感じるホルモンのことです。

しかし、オキシトシンには意外な作用もあります。

オキシトシンが分泌されると仲のよい人とはより強固な信頼関係を結ぶようになりますが、そうでない人には排他的(攻撃的)になるのです。
子育てしている動物は警戒心が強くなるといアレな状態と一緒なんですって。

「うちの子が、うちの子が一番なんやー!!」っていうお母さんのヒステリックとも思える行動ってオキシトシンのせいかもしれないんですね〜。

二次元世界から三次元世界へ

目の網膜は二次元です。
そのため、脳に届く情報って二次元の情報なんですよね。

つまり私たちは、

  1. 三次元の情報を
  2. 網膜で二次元情報に変換し脳に届け
  3. 脳で三次元情報に復元する

というプロセスを踏んでいます。

「ふーん」くらいにしか思えないかもしれませんが、これはなかなか衝撃的にすごいことで、赤ちゃんのときは三次元情報に復元できていません。

娘は、少し前までは動くものを目で追っていましたが、それは反射的に視線が動くだけです。この反射には視覚しか使っていません。しかし今回のように、見えるものに「手を伸ばす」という事は、「見えるものは自分の手で取ることができる可能性がある」と理解できたことを意味しています。もっとストレートに言えば、彼女の中で「この世界は3次元だ」ということに気づき始めたわけです。p22

脳研究者のおもしろ情報が出ました!
脳って本当に不思議なんですよねぇ。

これを聞くと、私たちが見ている世界って一人一人が違うんだろうなって思いませんか?
脳で得た二次元情報を三次元情報に復元する力って、全員が同じではないはずです。

イチローがあれだけヒット打てるのって、たぶん私たちと違う情報を復元してるんじゃないのかなぁなんて思ったり。

3歳になるまでに約70%の神経細胞が排除される

子どもの脳ってどんどん成長するイメージがあるじゃないですか?

でも、脳の神経細胞の数が一番多いのが生まれた瞬間で、それ以降は減っていくんですって。
んで、3歳になるまでに約70%の神経細胞が排除されます。

生き残る神経細胞は30%、そしてこの30%は変化せず、健康であれば100歳を超えてもこの30%を保持し続けるんですって。(3歳までに残った神経細胞を一生使うということ)

「三つ子の魂百まで」ということわざは、脳科学的にも、ある意味では本当です。p38

なんでそんなことするの?って話ですが、赤ちゃんがどんな世界で生まれても環境に適応するために、過剰な神経細胞を持って生まれてきて、必要なものは残し、いらないものを捨てていくという形態をとったのだと考えられています。

正確じゃないところが良い!

チンパンジーにフォークを見せた後、単語リストからフォークと書かれたカードを選ぶことを教える訓練すると、モノを見せただけで、正しいカードを選ぶことができるようになります。

じゃあ逆はできるのか?(単語カードを見せた後、フォークを選んでもらう)

それができないんです。
これがヒトとチンパンジーの脳の使い方の違いなのです。

ヒトはフォークという単語カードを見れば、実物のフォークを選ぶことができますが、なんでチンパンジーはできないと思いますか?

でも数学的に言ったら、チンパンジーの方が正しかったりするんですよね。
というのも、『AならばB』だからと言って『BならばA』とは限らないからです。

例えば、『犬は動物』だけど『動物が犬』ではないですよね?
だからフォークの単語を見ても、それが指すものが“そこにあるフォーク”とは限りません。

つまり、チンパンジーとヒトの違いは、推測する力であったり、抽象化する力なのです!!

さてこれと似た話に、“百舌(モズ)の速贄”というものがあります。
これは、モズという鳥がとらえた獲物を枝などに刺して保存しておく行為のことです。

ところがどっこい、モズはそれを忘れて放置することがよくあるのです笑

しかしこれは“忘れた”というよりは、記憶が正確すぎた結果として忘れてしまうのです。
どういうことかというと、モズは獲物を刺した枝とその周囲の風景自体を記憶するので、それがちょっと変わるだけで、“別のもの”と判断するのです。

記憶は、正確すぎると実用性が低下します。いい加減で曖昧な記憶の方が役に立つのです。例えば、ある人物を覚えたいとき、「写真」のように記憶すると、他の角度から眺めたら別人となります。記憶には適度な「ゆるさ」がないと、他人すら認識できません。p100

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AIとベイズ推定

ベイズ推定がヒトの持つ優れた能力になります。
ベイズ推定とは、“二度あることは三度ある”のような予測を立てる能力になります。

今、人工知能(AI)が隆盛しています。ヒトに近い知能、場合によってはヒトを凌駕する機能を発揮します。しかし、現在の人工知能には、ヒトとは決定的に異なるところがあります。それは学習に必要な情報量です。例えば世界チャンピオンを負かした囲碁ソフトは、1000万回近い対局を重ね、人類レベルに到達しています。ヒトの場合、プロ棋士でさえ一緒に経験できるのはせいぜい1万対局。

桁違いに少ない訓練量で、立派に調達するのがヒトの脳です。それは経験データに対する強い「信念」から生まれます。その一端を担うのがベイズ推定です。p89

風が吹けば桶屋が儲かる的な、論理の飛躍ができるところもヒトの脳ならではの能力だったりします( ´∀`)

脳には経験が大切!

遺伝なのか環境なのか?

これに対しては「どっちも大切」というのがもっとも親切な答えとなります。
というのも、いくら絵を上手く描ける才能があったとしても、絵を描く環境がなければ才能は開花しません。

だったら、よりたくさんの経験をさせた方がいいっしょ!ということになります。
でも経験にも注意点があります。

こんな実験があります。
仔ネズミに「ラ」の音だけを聞かせて育てると、「ラ」に敏感に反応する脳が育ちますが、「ミ」の音を聞かせると、脳が上手く反応しません。

そのネズミは「ラ」だけの世界に育ってしまったということです。
何が言いたいかというと、「ラ」の本当の意味を知るためには、他の音を聞いた経験がないといけないのです。

つまり、先ほどの「良い経験をする」とは、「質の高い経験」さえしておけばよいという意味ではありません。脳は、多様な経験を通じて、違いがわかるの力を育んでいくのです。p196

「これだ!」という才能を見つけるためには、いろんな経験をして、いろんなところで努力しないといけないよってことですね(`・ω・´)”
私たちは“何かを比べること”でしか価値を感じることができないのです。

早期教育ってどうなのよ?

私は、いわゆる「早期教育」を推奨しているわけではありません。単に知識を詰め込むだけの早期教育は、長期的にほぼ効果がないと考えています。p321

簡単に言っちゃえば、「勉強に関しては詰め込み学習って、あんまり関係なくね?」ということです。
例えば、3月生まれのプロ野球選手は4月生まれの選手のわずか半数ほどなんですって。(サッカー選手も同じ)
しかし、東京大学の学生数は3月生まれも4月生まれもほぼ同数とのことです。(3月生まれと4月生まれでは約1年、学習期間が違う)

スポーツなんかはモロに生まれたつきで体格差が出てしまいますが、勉強についてはあんまり関係ないようなんですね。

認知的不協和と子育て

アメリカの心理学者レオン・フェスティンガーさんが提唱した『認知的不協和』というものがあります。

これは、自分の中で矛盾するモノを抱えた時に、それを解消するため自身の態度や行動を変更する心理の働きのことです。

認知的不協和を表すのによく使われる例が、イソップ童話のキツネと葡萄(ぶどう)の話です。
高い木の上にある葡萄をキツネは欲しがりますが、手が届かないため「どうせすっぱい葡萄だからいらない」とキツネは言います。

これは、「欲しいけど、届かない」という自己矛盾を解決するため、「あの葡萄はすっぱいからいらない!」と考えを変えたのです。

認知的不協和は、子育てにおいても気をつけたい真理です。p234

例えば、絵を描くのが好きな子どもが熱心に絵を描いていたとします。
なぜ絵を描くのか?その理由は絵を描くのが好きだからです。

ここでお母さんは「えらいね」とか「上手だね」と何度もほめたとすると、絵への興味が急速に減ることがあるのです。
その理由は、「絵が好きで絵を描いていたのか、ほめられたくて絵を描いていたのか」が分からなくなってしまうからです。

ほめ方ってすごく難しいんですよね・・・。

認知的不協和は『ほめ方』以外のところでも登場します。
例えば、ゲームばかりしている子どもに勉強させたい場合は、優しく言った方がいいでしょうか?それとも厳しく知った方がいいでしょうか?

この実験によると、

  • 厳しく言われたグループ:ゲームはすごく面白かった
  • 優しく言われたグループ:ゲームはそんなに面白くなかった

と、傾向の違いが出ました。

厳しく言われた方は「もっとゲームをしたかったのに、できなかった」と強制的にゲームをやめさせられたので認知的不協和は発生しないのに対し、優しく言われたら「もっとゲームを続けれたけど、自分からやめてしまった」、つまり気持ちと行動が不一致であり、認知的不協和が発生します。

そうなると、ゲームをやめたという行為に対して理由を説明しなくてはならないので、「ゲームはそんなに面白くなかったから、自らゲームをやめたんだ」となるわけです。
厳しくいうだけが教育上プラスになるわけではないんですね。

しつけとは強化と弱化のこと

しつけは、専門用語で「強化」と「弱化」と呼ばれる方法に分類されます。p244

  • 強化:ほめることで、その行動を再び取るように意欲を強めること
  • 弱化:しかることで、その行動を二度と取らないように意欲を弱めること

強化にせよ弱化にせよ、しつけが行われると子供は親の行動や判断をモデルにして、自分に取り込んでいきます。(内面化と呼ぶ)

内面化が成功すると、しつけという外的要因がなくても、自分の価値判断に基づいて行動を取れるようになります。
これが子育ての最終目標ですね。

強化も弱化もどちらも大切で、はやりの「子供はほめて伸ばす!(強化)」だけでは不完全な教育になってしまいます。

動くことと脳

こんな実験があります。

ネコを視界のきかない暗闇では自由に行動させ、明るい昼間では体を固定し、動けないようにして育てます。
そうして『視覚経験』のないまま成長したネコを、明るい場所で自由にさせると、物にぶつかったりと空間認識に異常を示しました。

目は正常で、脳細胞も光を認識しているのに、うまく見ることができなかったのです。

つまり、モノが見える世界で動き回った経験がないと、網膜で得た二次元情報を正しく解釈することができないのです。

つまり、見えるから「移動」できるのではなく、移動するから「見える」ようになるのです。p270

じゃあ、モノが見える世界で移動できていれば十分かというと、そうではないのです。(ブランダイス大学のヘルド博士らの有名な実験になります)

メリーゴーランドのような装置に、2匹の猫を繋ぎます。(くるくる回る装置)
片方は自分の足で歩くことができますが、もう片方はゴンドラに乗せられて動くことができません。

歩くことができる猫が動けば、その動きに応じてゴンドラも動く仕組みになっているので、視覚情報は同じになります。
しかし、ゴンドラで育った猫は空間認識に異常を示したのでした。

つまり、受動的な視覚情報だけでは『視覚経験』としての効果がないということです。
ようは、自らの手足を動かすことが大切だってことですね!

刺激と脳

私たちが外界から得る情報は、そのまま脳に届きません。
目や耳や皮膚で得た情報は、電気信号として脳に送られます。

じゃあなぜ私たちは、その電気信号を耳ではなく目で受けた情報だと、小指ではなく親指で受けた情報だと認識するのでしょうか?

例えば、あなたは潜水艦の艦長だとします。
しかし、潜水艦の形も大きさも機能も知らないまま、いま水深〇〇mを潜航中です。

その時、潜水艦に「カン、カン」と何かがぶつかる音が聞こえました。
潜水艦の外に出ることはできません。

さて、何がどこでぶつかっているのでしょうか?

そんなの分からないですよね・・・笑
ヒトの脳はそんな奇跡的なことを解釈しているのです。

腕が2本あって、指が10本ある…。これは大人の目線での知識です。赤ちゃんの脳は、この世界に生まれた後に、自分の形の形状を、脳に届いたピピピ信号の「同期性」を通じて、学習していくのです。p273

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まとめ

この記事では『パパは脳研究者』についてメモしてきました。
知的好奇心がすごく満たされる本であると同時に、「子育てってワクワクするなー」と思える本だと思います(`・ω・´)”

子育て時期にこの本を読めたら、子育てが格段に面白くなること間違いなしです!
と言うことでぜひ手にとって読んで見てください(`・ω・´)”

今回の記事も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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