勉強になりました。#読書 #科学が教える子育て成功への道
デラウェア大学教授ロバータ・ミシュニック・ゴリンコフさんと、テンプル大学教授キャシー・ハーシュ・パセックさんの共著『科学が教える、子育て成功への道』を読みました。
いつも通りメモしていきます“φ(・ω・。*)カキカキ
いきなり引用ですが、著者のこの考えが好きです。
私たちのような科学者は象牙の塔に閉じこもらず、仲間の研究とともに、子供たちが現実に抱えている課題に切り込まなければならない。科学者は自分たちの知見を現実の課題とつなげて、多くの人々に伝える役割を果たす義務があると私たちは考えている。さもないと、市場の原理を優先させた空虚な価値観が世の中に充満するばかりで、教育産業によって提供される知識を詰め込めば子供は成功できるという時代遅れの思考回路から多くの人々が脱することができず、子供はますます実体験を通じて学ばなくなるであろう。p13
一般人と科学者の知識が乖離しすぎてるのが今の時代なのです。
それだとせっかくの研究が無意味ですよね(´・ω・)
これからの子供たちに必要な能力とは?
雇用する側が必要だと考えているのはどんな能力か。どうしたらもっと信頼できる形で新しい意味での「成功」を評価できるのか。さらにどうしたらその評価に基づいて考えようとする文化を作り出すことができるのか。これが本書の本質的な問いである。p32
このサイトで何度も書いていることですが、これからの子供達が必要な能力は今までのような、
- 暗記力
- 人の言うことをただ聞く
- 学歴
なんかではありません。
よく言われるのが、“非認知能力”ってやつですね。
非認知能力ってなんなの?って話ですが、これは“覚えることでは教えられない思考スキル”になります。
代表的なものが、
- コミュニケーション能力
- 我慢できる能力
- 共感能力
- 努力できる能力
などなどです。(非認知能力と反対の認知能力がいわゆるテストで計測可能な能力のことです。)
本書では非認知能力のことを『ソフトスキル』と書いていました。
著者らが提唱する6Cs
これからの子供達に必要な能力だと著者たちが提唱するものが『6Cs』になります。
- コラボレーション Collaboration
- コミュニケーション Communication
- コンテンツ Content
- クリティカルシンキング Critical Thinking
- クリエイティブイノベーション Creative Innovation
- コンフィデンス Confidence
それぞれ説明していきます。
その前に6Csについて著者の考えを、長くなりますが引用します。
6Csは以下の点でこれまでのモデルと違う。
1つ目の違いは、私たちのモデルは子供の発達についての研究に基づいた何十年にもわたる学習科学の成果から生まれたこと。こうした研究のかけて、たくさんリストアップされたスキルの中から、カギとなる相互に関連するスキルを選ぶことができた。こうして選ばれたスキルは、何度も同じプロセスを繰り返して洗練され、あるスキルが別のスキルの成長を助け、お互い関わり合いながら発達する。
2つ目は6Csは学ぶことで伸ばすことができる能力であること。誰もがそれぞれのスキルにおいて、より進んだレベルに成長できる。ただし一旦ある領域で最高レベルに到達したとしても、すべての領域で通用するわけではない。これらのにはキルは性格的な特徴ではなく、一旦最高レベルに到達したらもう安泰というわけでもない。
3つ目は、私たちがこれらのスキルを教師や親ではなく、学習者に焦点を置いて考えたこと。従って、何を学ぶかだけでなく、子供がどのような方法を用い、どのようなプロセスを通じて学ぶかを重視している。
4つ目は全てのスキルを様々な文脈で用いることができること。子供が学校で過ごすのは全生活時間の20%に過ぎない。従って、学校「内」だけでなく、家庭や地域も含めた学校「外」の学び場を作る必要がある。6Csを用いれば、いつでも、どこでも、誰とでも学びの場を作ることができるのである。p87
コラボレーションとは?
ヒトは本質的に社会的動物です。
つまり、他者と協力する能力があり、これを伸ばすことが必要になります。
コミュニケーションとは?
コラボレーションを基盤にして築かれるのが、コミュニケーションになります。
自分の言いたいことを伝える力、相手が伝えようとすることを聞き取る力、それがコミュニケーションのりょくになります。
コンテンツとは?
今の時代は新しいモノや情報があふれています。
これらのモノ・情報を素早く選別し、戦略的に取り入れて、考えるための基盤を作るのがコンテンツ能力になります。
クリティカルシンキングとは?
私たちは爆発的に情報が増える時代の中に生きている。GoogleのCEO、エリック・シュミットは、私たちが文明を手にしてから2003年までに蓄積された情報量と同じ量の情報が、今ではたった2日で生み出されると計算している。また、ビジネスリーダーたちは、知識は2年で倍増すると考えている。たとえこれまで作り出された情報を全て覚えたとしても、2年半後には全情報量の50%、5年後には25%しか覚えていないことになる。p39
そんな世界だからこそ、一歩引いて、「何が本当に必要なものなのか?」という本質的な問いを選ぶクリティカルシンキングの能力が必要になります。
クリエイティブイノベーションとは?
クリエイティブイノベーションは、コンテンツとクリティカルシンキングを共に働かせた結果生まれる。p40
クリエイティブイノベーションの代表例がiPhoneでしょうね。
携帯電話もあった、カメラもあった、タッチパネルもあった、「でもたくさん使い分けるのってめんどいよね?1つにまとまってたら便利なのに」というコンテンツとクリエイティブシンキングが組み合わされて作られたものがiPhoneです。
日本を代表する企業、ソニーには、携帯もカメラもタッチパネルも作る技術がありました。
しかし、iPhoneを作ることはできませんでした。
コンテンツはあったのに、クリエイティブシンキングがなかったんですね。
コンフィデンスとは?
コンフィデンスとは自信のことです。
失敗をしようとも、粘り強く努力し、失敗を乗り越えていくためには自信が必要です。
6Csのレベル
それぞれレベル1からレベル4まであり、全てを鍛えていくことが大切になります。
「我が子はどこのレベルにいるのか?」を確認しながら、レベルアップに必要な経験値を与えてあげましょう。
6Csの鍛え方
本書では細かくそれぞれの“C”についての鍛え方が書かれていました。
詳細は本を参考にしてください。
すごくざっくりとまとめると、
- 人と会おう
- 全てのことにおいて関わり合いを持とう
- スマホを捨てて対話しよう
- AIやロボットの時代、あっという間に情報は既知の情報は役に立たなることを知ろう
- グーグルがある今、知識は誰しもが指先一本で手に入る
- 学び続け、既知の情報を組み合わせ、深く考える能力が求められている
- 子供にどう学んだらよいか、自分がモデルとなって見せることが何よりも大事
- 自分の子供に教えるのではなく、面白がって一緒に学ぶ
- より深い学びは社会的な関わりを持ったときである
- 最初に出会った答えをすぐ受け入れないで、問い続ける
- なんでもやってみる
- 能力ではなく努力を褒めてあげる
- 失敗を責めるのではなく、失敗は必要だということを学ばせる
まとめ
この記事では『科学が教える、子育て成功への道』について書いてきました。
6Csのそれぞれのレベルの上げ方については、かなり具体的に書かれていたので、子育てを真剣にやろうとお考えのご両親はぜひとも手にとってみてください。
こういう本を読むと「わかるわかるー」ってなってそれだけで終わってしまいがちなのですが、知識は行動に移してのみ価値が発揮されるので、子育てに活かしてみてください
今回の記事も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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