善意のつもりが逆効果【被災児童に向けた心のケアの失敗例】

善意のつもりが逆効果【被災児童に向けた心のケアの失敗例】 教育
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東日本大震災の後、児童のトラウマケアのために臨床心理士が被災地に赴きました。もちろん子どもたちのためです。善意の気持ちです。

 

しかし一部では逆効果があり、子どもたちが悪夢にうなされたり、情緒的に不安定になったりするという悪影響がありました

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善意のつもりが逆効果『心理的デブリーフィング』

なぜそんな悪影響があったかと言いますと、『心理的デブリーフィング』というものを安易に用いてしまったからです。心理的デブリーフィングとは、トラウマを受けた人々に対し、PTSDの予防的介入としてトラウマの内容を表現させるような心理的介入のことを言います。(追体験させることによって、カタルシスを促進させることがPTSDの予防につながると考えられています。)

 

心理的でブリーフィングを用いて、東日本大震災で被害を受けた子どもたちに被災時の絵を描かせたケースがありました。その結果、子どもたちは悪夢にうなされたり、情緒的に不安定になったりする子どもが出てしまったのです

 

心理士に悪意があったわけではありません。善意からです。

心理的デブリーフィングは警告されていた

しかし、いくら善意からといっても、心理的デブリーフィングが専門家が用いたのには問題があります。なぜなら心理的デブリーフィングの害は警告されていたからです。

  • 2001年に起きたアメリカ同時多発テロの際にも、心理的デブリーフィングは警告されていた。
  • 2002年のコクランレビューでも、心理的デブリーフィングに害があることを警告していた。

研究の結果、心理的デブリーフィングは「トラウマケアとして推奨できない」との報告が出ていたのです。

 

専門家として「知らなかった」で済まされることなのでしょうか?ここが難しいところですね😱

科学は日進月歩です。大学で習っていた最新知識は、10年も経てばおばあちゃんの知恵袋的なものになっている可能性があります

おわりに

「正しい」と思っていつことが違っていたり、「これは子どものためになる」と思っていたものが逆効果になったり・・・本当に難しいことです。ですから、そのために私たちが持つべきものは、圧倒的に強い根拠です。そのためのRCTの系統的レビューなわけです。

 

エビデンスに基づく医療、エビデンスに基づく教育、今の時代に必要なことですね。一緒に勉強していきましょう👍それでは!

*参考

心的外傷後ストレス障害(PTSD)の予防のための心理学的ディブリーフィング(2007 issue 3, -)

*オススメ書籍

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