2017年4月6日木曜日のNHK NEWS WEBで『先生の英語力 国の目標に達せず』という記事がありました。なんとも悲しいなぁと思いつつ、教師の皆さんも忙しすぎて自分の専門性に磨きをかける時間がないんだなぁと今の教育体制を残念に思います。かといって、大切な我が子を学校という場所に預けるのですから、いち納税者としてこれには黙っていられません。
英語教師の英語力
グローバル化に伴い、子供たちの英語力をあげようとするのが今の国の教育方針です。では子供達を指導する教師の英語力は如何ほどに?というのが疑問なところですね。
英検準一級程度の能力がある英語教師は中学校、高校の教員を合わせて5万3000人あまりを去年の12月時点で調査したところ、中学校の教員で32.0%、高校の教員で62.2%でした。
文部科学省では、英検準1級程度以上の力を見つけた教員を、中学校では50パーセント、高校では75パーセントになるように目標を定めていましたが、残念ながら目標には届きませんでした。
また生徒の英語力についても、中学校では英検3級程度以上が50パーセント、高校でも英検準2級程度以上が50パーセントに目標を定めていましたが、この水準に達した生徒は中学校で36.1パーセント、高校で36.4パーセントでした。
この結果も全国でをばらつきがあり、高校教員の英語力が全国でトップだったのは香川県だそうです。
松市にある香川大学のキャンパスには月に1度、高校の英語教員らが集まり、学習方法を情報交換したり、動画で撮影した授業の様子を互いに見たりしながら英語力の向上に努めています。また勉強会には英語教育の専門家も参加してアドバイスを受けています。
高松市の県立高校で英語を教えている高橋真弓さん(54)は、こうした研修に参加するほか、出勤前から英字新聞を読んだり、英語のニュースを聞いたりしてみずから英語力を磨いています。高橋さんは英検だけでなく、通訳案内士といった英語に関する資格を数多く取得していますが、香川県教育委員会はこうした教員の自己研さんを支援するため、おととしから英語の検定試験を教員が無料で受けられる制度を独自に設けました。
これらの取り組みで香川県では教員の英語力は向上した一方、生徒の英語力は全国平均を下回る結果となりました。県教育委員会は、今後は生徒の英語力を上げるため教員の「指導力」アップにも努めたいとしています。
英語教師の英語力が伸びない理由
英語教師の英語力が伸びない理由の1つに、目標を達成したとしても、昇給等、インセンティブがまったくはたらかない教育現場に原因があると思います。努力して英語力を上げたとしても、努力せずに英語力を全く上げなかったとしても、給料に差が出ません。
競争原理がまったくはたらかない教育現場で、やる気を出せる教師がどの程度いるのでしょうか。
もう一つの理由として教師は忙しすぎて自分の専門性を高めることができない、ということがあると思います。テレビでおなじみの林修先生が、学校教員は予備校講師と違って学習指導だけでなく生活指導もあるから大変だとおっしゃっていました。
しかし、この結果だけを見ると、教師の英語力がないので学習指導は出来ていないと思われます。それと教師は大学を出てからそのまま学校教師なる人が多いので、民間企業のきびしさ、市場の価値観がわかりません。そういう人たちがいったいどのような進路指導を含む生活指導ができるのでしょうか。
二兎を追う者は一兎をも得ずの状況なので、学習指導も生活指導も両方取り入りるのは、自分の実力を把握できてないと思います。私立高校がやっているように公立高校も早めにスタディサプリを導入し、一流の教師に知識を学び、現場でしかできないことを今の教師がやるべきだと私は思います。
英語力が上がっても指導力は上がるのか?
文部科学省は教師の英語力を上げることができれば、学生の英語力も上がると思っているのでしょうが、実際はそんなことはありません。決定的に1つの視点が抜け落ちています。
指導力、つまり授業のセンスがなければ学生の学力は上がりません。
頭がすごく良くても教える事はすごく下手だった、そういう人にいちどは出会ったことがあるはずです。英語力を先にあげるのか、指導力を先にあげるのか、どちらが重要でしょうか?
もし英語力もない、指導力もない、そんな先生がいるのであれば、そんな先生に子どもを預けるのは虐待に近いものだと思います。
しかし、そんな先生でも簡単にはクビにできないのが今の教師の現場であり、公務員です。
労働市場の流動性を解決しない限りは、この問題は解決できないと思っています。能力のない先生に教わる学生はとても残念ですし、能力がないと自分でも分かっていながら、労働市場の流動性の低さに簡単には転職することができず、仕方なく教師を続けている人たちもいるはずです。
教師としての才能がなくても、他の職場ではバリバリ働ける人だっているはずです。自分の才能活かすことなく、同じ職場でだらだらと仕事をするのはその人だってかわいそうで、人生がもったいないです。
学生からしたって、その人たちよりは「民間企業で働いていたけど教育現場に興味持ったので教師に転職しました」という人たちから学んだほうが、人生のためになります。
しかし民間企業で働いていた人たちは、教員免許という車の運転免許と同じくらい簡単に取れる免許を持っていないので、教師なることはできません。
大学の教育学部に入りさえすればとることができる免許制度によって、ここでも労働市場の流動性が妨げられています。(大学側にも問題があります)
もともと教員免許とは教師の学力を担保するものだったはずです。しかし今の英語教師の英語力は足りないということがわかっているのですよね?
そうであるならば、教員免許に一体何の意味があるのでしょうか?
子供の英語力を伸ばしていきたいと本気で思うのであれば、教育現場を変えていくしかありません。英語教師、いや英語以外の教師も自分の仕事にプライドを持って専門性を磨いてもらいたいなぁと思います。それができないのであれば、スタディサプリのようなオンライン授業を早めに学校教育に取り入れるべきだと思います。
まとめ
今回の記事は批判めいたことを書いてしまい、不快に感じられた方も多いと思いますが、子供の教育にとって1番大切なものは?を自分なりに本気で考えたものなのでご理解頂けたらなと思います。教師が忙しくて自分の専門性を磨く時間がないのも、モンスターペアレントのような親の対処に時間が取られるということもあります。
これは私たち一人一人が意識して変えていかなくてはならないことです。それに進路指導だって、それは本当に教師がやるべきことでしょうか?
ノルウェーの学校の教師は「なぜ子供の人生を決めるような家庭的な問題に対して、教師側側が口を出さないといけないんだ」という教育方針らしいです。これは日本も取り入れていいのではないかと思います。
先ほど書きましたが教師になる人は、小学校、中学校、高校、そして大学の教育学部を卒業しそのまま学校に戻ってきている人がほとんどです。学校の外側の世界を知らない人に、今の時代にどういった進路相談をすれば良いのでしょうかう?
どうせ「できるだけ偏差値の高い高校や大学にいけ」って言われるだけです。そんなあまりにも意味のないような進路相談だったら時間や労力をかけるのはもったいないことです。
子供の将来を本気で考えたいのであれば、子供の進路相談は親、もしくは周りの親族が真剣に考えてあげましょう。あなたにとって大事な我が子であっても、教師から見れば1人の学生であり、毎年入れ替わるだけの存在であり、結局は他人です。
そんな人に進路相談をまかせっきりするほうがおかしいですよね。ということで、教師の負担をできるだけ取り除いてあげて、しっかりとした学習指導ができるような環境を、私たちひとりひとりが意識を変えて整えていきましょう(`・ω・´)”
本日も最後まで記事を読んで下さりありがとうございました。
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