『日本の教育の危機はどこにあるか』を読んで

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立命館大学教育開発推進機構教授の陰山英男先生とカリスマ現代文講師出口汪先生の共著『日本の教育の危機はどこにあるか』を読みました。

気になったところをメモしていきます“φ(・ω・。*)カキカキ

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学校が変わる必要があるよねって話

  1. 単純に学力をつけさせたいならスタディサプリのような力のある先生の映像授業でいいよね
  2. でも、学校は勉強だけじゃないという考え方もあるよね
  3. 学校の先生はコーチングという感じにならざるを得ないよね

という、当サイトでもおなじみの結論に行き着いておりました。

今の学校の問題点

出口「今の学校の先生を見ていると引っかかるのが、例えば小学校の先生であれば小学校の部分しか見えていないし、中学校の先生は中学校の部分しか見えていない。」p66

つまり、“教育”という大きなものを俯瞰してる先生が少ないということですね。

「なんのために勉強するのか?」を教えてくれる先生は、私の経験ですが、一人もいませんでした。

ほとんどの先生は「大学に行くため!」という、なんとも言えない理由で「勉強しろ!」というんですわな。

東大とハーバードの違い

蔭山「東大とハーバードの両方に通った人に話を聞くとレベル的にはそんなに違いは無いそうです。ただし決定的に違うのは、アメリカの大学だと、ノーベル賞受賞者が普通に大学のキャンパス内を歩いている。世界をリードしている人から直接話を聞くことができるけれど、日本ではそれができないと言うのです。人的ネットワークの中で仕事をしようと考えると、やはり海外に出ないと話にならない、と言っていました。」p111

ノーベル賞受賞者を人口比で考えると、アメリカは日本の10倍なんだそうな。

勉学のモチベーションを保つためには“憧れの存在”という人がいた方がいいですよねぇ。

親の年収が400万円以下なら授業料は無料だぞー@東京大学

親の年収が四百万円以下なら、東京大学の授業料は4年間払わなくてすみます。そして、そういう学生は17~18%ほどいるんですと。

「お金がないから勉強ができない!」ということもありませんね。それにスタディサプリなどの格安で最高の授業が受けられる環境が整っていますし。

東大が求めている学生

東京大学は地方で説明会をやっています。

地方の優秀な学生を求めているのです。

なぜかというと、

東京大学の学生は有名高校の関東出身者ばっかりだから

です。

ようは同じような学生ばかりいるってことですな。それを考えて地方の優秀な学生を東大は求めているのです。

文部科学省の動き

蔭山「ここにきてまた新しい動きが起きています。文部科学省は指導要領の逸脱というか、勝手な教育をやってよいと認めたのです。小中一貫校で中学校の学習内容を小学校におろすことをやり始めました。中高一貫校と同じで、中学3年生を高校入試対策に振り向けることができるわけです。ここには、公立高校の復権を文科省が後押しすると言う意図が見えてきます。」p119

まだ一部の学校になりますが、このように動きが変わってきているんですと。つまり、前倒し学習ができるというわけです。

他にも、

  • 大学入試について民間の検定を活用せよ
  • 奈良の高校が「学校にスタディサプリを導入」と言ってもOK

公務員組織だったところが徐々に民間サービスを入れることもOKになってきている。

教員の存在意義

スタディサプリがOKなら教職員の存在意義が問われてきますが、それに気が付いていない教員も多いとのことです。

出口「その危機感がないというか、今までと同じようなことをしている。僕も高校ですが現場教師の経験が若い時にあって、見ていると、それもあくまで一般論としてですが教師と言うのは案外勉強しないんですね。というのは、新卒で入ってきて、教員になった途端、一国一城の主であって、誰かにならって勉強すると言う事はほとんどないんですね。]

蔭山「すべてではないですが、自主的に勉強する人は少ないです。」p129

部活動問題で大変とは言え、自学自習している学校の先生って本当に少ないんですよね^^;

蔭山「僕は、教師などコンピューターに置き換えられる最たる職業だと思いますよ。タブレットに全部入れておいて「この問題ができなければ、ここまで戻りなさい」と。将棋や囲碁の世界でも人間がコンピューターに勝てない時代なんだから、学校の先生のやっていることなので、基本的なことをするだけだったらコンピューターのほうがはるかに楽ですよ。子供たちも気遣いしなくていいし。」p153

さらば不適格教師

ただし、蔭山先生曰く、不適格教師はいなくなっているということです。

というのも、教員評価で最低ランクの人は現場を外されて研修に回され、研修が終わって現場復帰させるときにもう一度フィルターにかけられ、無理な人は分限免職になるそうな。

分限処分(ぶんげんしょぶん)とは、一般職である日本の公務員で、勤務実績が良くない場合や、心身の故障のために、その職務の遂行に支障があり、又はこれに堪えない場合など、その職に必要な適格性を欠く場合、職の廃止などにより公務の効率性を保つことを目的として、その職員の意に反して行われる処分のこと。現行では疾病による休職と免職がある。懲罰ではなく、懲戒処分とは異なる。 引用:ウィキペディア 分限処分

“最低ランク”というのが気になりますけどね^^;

それだったらそもそもその人に教員免許を与えるべきではないような気もします。だって、そんな最低ランクの先生が数年間は教育現場で指導してるんですからね。

子どもへの影響は計り知れないですよ。本当に。

親はどうするべきか?

極端な格差社会へ

出口先生も蔭山先生も“極端な格差社会になる”ということを前提で話されていました。

まずは親が変わるしかない

出口「中学生の子供を持つ親が子供を守るためには、まず親が変わらなければダメなんです。というのは、幼児や小学生は自分で教育を選ぶことができないのですから。ある程度、自分で教育を選択できると言うのは中学校の高学年になってからです。」p151

当サイトでも伝えている通りの厳しい意見となっております。蔭山先生もこれに同意でした。

おわりに

今の教育問題を大きく分けると、

  • 学校教育が微妙(今だに工場労働者を作るための教育)
  • 学校の先生が微妙(教えるだけなら映像授業の方が秀逸)
  • 現状認識をしない大人(これからの時代の変化についていけてない)

という感じですかね。

それで結局どうするの?って話なのですが、結局は

『考えれる子どもを育てようぜ!』

って話に行き着きます。

考える力さえあれば、状況が苦しくても自分で答えを見つけようとします。学ぼうとします。

 

じゃあ考える力はどうやって身につければいいんだ?という話ですが、これは

『国語力を身につけようぜ!』

ということになります。国語力さえあれば、教科書が読めるんです。教科書が読める力があれば放っておいてもいざとなったら自分で勉強ができるんですな。

AIに負けない教育をするならば『読解力(国語力)』を鍛えるべき
 

 

子どもに国語力をつけさせるために、親が何ができるかというと、

『小さい時から絵本に触れさせる』

ということです。

子どもを全員東大に合格させた佐藤ママは毎週図書館に行っては大量の絵本を借りていたそうです。(佐藤ママの子育てを完コピしろってことではありません)

 

「本を読みなさい!」ということは東進衛星予備校の林修先生もそうですし、優秀な方々は口を揃えて言います。なぜ本を読むことが大切なのかってことですが、私たちは過去から学ぶしかないからです。

私がより遠くまで見渡せたとすれば、それは巨人の肩の上に乗ることによってです。

If I have seen further it is by standing on ye sholders of Giants.

アイザック・ニュートン

先人たちが積み重ねてくれたものがあるからこそ、私たちはより賢くなれるというわけです。

しかし、本が読めなければ、先人たちの知恵も拝借できないんですな。

 

ということで、親ができることは“自分が楽しそうに本を読む!”ということでしょう。親が楽しそうに本を読んでいれば、子どもも自然と本に興味を持つはずです。

え?本を読む時間がないって?

じゃあ5分だけでも!

5分だけでも楽しそうに読んでいたら、

「お父さん(お母さん)ってあんなに忙しいのに、隙間時間で本を読んでる。本ってそこまでして読みたいものなのかなぁ。」

と興味を持ってくれるはずです^^

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