AIに負けない教育をするならば『読解力(国語力)』を鍛えるべき

AIに負けない教育をするならば『国語力』を伸ばそう! 教育
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最近とっても有名な本、新井紀子さんの『AI vs 教科書が読めない子どもたち』という本を読みました。子育て中の方は、是非ともこの本を読んでみてください。

「AIやロボットに仕事を奪われる」という未来予測は耳にタコができるほど聞いたことがあると思いますが、その未来に対してどうするべきか?というのが、この本を読むことで分かるのではないか、と思っています。

お父さん・お母さん、教育関係者は必読の書になります!(こちらのサイトでも記事にしています→→→『AI vs 教科書が読めない子どもたち』読んでシンギュラリティの見方が変わった

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なぜ国語力を鍛えるべきなのか?

著者は東ロボくんといって、『ロボットは東大に合格できるのか?』を研究している研究者です。

数年間に及ぶ研究の結果、東ロボ君は東大に合格することはできないということがわかりました。しかしマーチレベルの大学であれば合格範囲内ということも分かりました。

例えば、2016年にはセンター試験模試で平均点を上回る525点を取得しています。(50万人がセンター試験を受けるのですが、その上位20%に東ロボくんは入っている)

 

他にも、駿台の記述模試で数学と世界史の2科目を受けた結果、

  • 世界史は偏差値61.8
  • 数学は偏差値76.2

という、とてつもないスコアを叩き出しています。

AIは国語が苦手だった

こんなに優秀な東ロボくんですが、弱点があります。数学のように計算できることや、世界史のように記録を引き出すようなことは得意なのですが、『文章は理解できない』という致命的な弱点があり、著者はこれを解決するのは「難しい」という結論に至っています。

私たちが簡単に理解できるようなことでさえ、AIでは理解できないことも多くあるんですね。

例えば、iPhoneに搭載されているSiriに

  • 「美味しいイタリア料理のお店は?」
  • 「まずいイタリア料理の店は?」
  • 「イタリア料理以外のレストランは?」

と質問すると、『どれも同じような答え』が返ってきます。AIはキーワードを見ているだけで、文章の意味は理解できていないのです。(改善されていきますが、文章の意味を理解できるか?という点については難しい)

 

ということで、AIは国語力がないから、ちゃんと言葉を理解できる私たち人間は安心だよね!って話になりそうなのですが、そんなことはないのでした・・・。

AIより国語が苦手な人がたくさんいた・・・

「AIは文章の意味が理解できないからね☆」

という感じに本書の前半は進むのですが、徐々に「あれ?そもそも人間も文章を理解できてないじゃん・・・」という残酷な話に向かっていきます。(高校生以降に読解力が上がるわけでもないので、これは私たちにも当てはまります。ちなみに子どもに授業を教えている学校の先生にも当てはまります。)

それでは、1つ例題を解いてしまいましょう。

(問1)

仏教は東南アジア、東アジアに、キリスト教はヨーロッパ、南北アメリカ、オセアニアに、イスラム教は北アフリカ、西アジア、中央アジア、東南アジアにおもに広がっている。

この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちから1つ選びなさい。

オセアニアに広がっているのは(      )である。

  1. ヒンドゥー教
  2. キリスト教
  3. イスラム教
  4. 仏教

さてさて、答えはお分かりでしょうか?国語が苦手な東ロボくんもこの問題は正解しました。

正解は2のキリスト教です。

間違ってないですよね?簡単ですよね?

でも、中学生の正答率は62%で、高校生の正答率は72%になります。

 

(問2)

Alexは男性にも女性にも使われる名前で、女性の名Alexandraの愛称でもあるが、男性の名Alexanderの愛称でもある。

この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちから1つ選びなさい。

この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちから1つ選びなさい。

Alexandraの愛称は(     )である。

  1. Alex
  2. Alexander
  3. 男性
  4. 女性

さてさて、答えはお分かりでしょうか?この問題も東ロボくんは正解しています。

正解は・・・1のAlexです。

中学生の正答率は38%、高校生の正答率は65%です。中学生は半分以上が間違っているんですね。

 

(問3)

アミラーゼという酵素はグルコースが繋がっててきたデンプンを分解するが、同じグルコースからできていても、形が違うセルロースは分解できない。

この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちから1つ選びなさい。

セルロースは(     )と形が違う

  1. デンプン
  2. アミラーゼ
  3. グルコース
  4. 酵素

正解は・・・1のデンプンになります。が、これは難易度が高いみたいで、某新聞社の論悦委員から経産省の官僚まで、なぜかグルコースを選んじゃう人がいるみたいです。

AIの苦手分野『同義文判定』

AIの苦手分野に、2つの文章を読み比べて意味が同じかどうかを判定する『同義文判定』というジャンルがあります。

(問4)

幕府は、1639年、ポルトガル人を追放し、大名には沿岸の警備を命じた。

上の文が表す内容と下の文が表す内容は同じか。「同じである」「異なる」のうちから答えなさい。

1639年、ポルトガル人は追放され、幕府は大名から沿岸の警備を命じられた。

 

どうでしょうか?答えは「異なる」です。でもこれ、出てくる単語がほぼ同じなのでAIは苦手です。

だけれでも・・・人間が得意かと言われるとそんなことなくて、中学生の正答率は57%で、高校生の正答率は71%になります。それで、これは「同じ」or「異なる」という二択なので、二分の一で正解しちゃう問題なんですよね。コインを投げて判断しても半分は正解します。

有名私立中学校にいく子どもたち

有名私立中学校は、12歳の段階で、公立進学校の高校3年生程度の読解能力がある生徒をふるいにかけています。(これは入試問題を見れば明らか)

つまり、彼らは「教科書を読めば理解できる」という能力を持っているわけです。

そのような入試をパスできるような能力があれば、後の始動は楽です。高校2年まで部活に明け暮れて赤点ギリギリでも、教科書や問題集を「読めばわかる」のですから。1年間受験勉強に勤しめば、旧帝大クラスに入学できてしまうのです。その学校の教育方針のせいで東大に入るのではなく、東大に入れる読解力が12歳の段階で身についているから東大に入れる可能性が他の生徒よりも圧倒的に高いのです。p221

読解力がなければ行き詰まるし、プログラミング教育も無理

「高校生から授業についていけなくなった」という人、結構いませんか?それは、読解力がないけど、中学生の時は暗記でなんとかやってこれた、という人です。

読解力が勉学の基礎になっているので、この能力がなければどれだけ教育改革したって、プログラミング教育を導入したって、学力はアップしません。

東ロボくんも読解力がないので行き詰まりました。どれだけ英文の数を覚えても、英語の偏差値は50前後から伸びなかったそうです。

AIと人間を分かつもの

この本を読めばこれから必要な能力が分かると思います。

絶対に必要な能力の1つが『読解力(国語力)』になります!読解力さえあれば、いつでもどんなことでも教科書を読めば勉強を始めることができます。

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どうやって読解力を伸ばすのか?

そこで気になるのが読解力を伸ばす方法についてです。著者は読解力を決定するもの調べました。

  • 読書週間
  • 習い事
  • スマホをどれくらい使うか
  • 新聞の購読の有無

などなど。

その結果分かったことが、

読解力を伸ばす方法は今のところ分からない(科学的に検証されていない)

ということです・・・。

昔ながらの方法で読解力を伸ばそう

読解力を伸ばす方法は科学的には分かっていません。しかし、昔ながらの方法が有効であるはずです。

  • 小さい時から一緒に絵本を読む
  • 「これはどう思う?」と問いかけをしてあげる
  • 親がすぐに答えを用意しない

などなどです。これに限らず幼児教育で良いとされている“五感”を使う教育をやればいいかと思います。

鍛えておきたい6つの読解力

著者は6つに読解力を分けています。これら6つの能力を全て鍛えることで、“本当の意味での読解力”が身につくはずです。

  • 係り受け:主語と述語の関係や、修飾語と被修飾語の関係を理解する
  • 照応解決:それ、これ、といった指示代名詞がなにを指すのかを理解する
  • 同義文判定:2つの違った文章を読み比べて、意味が同じであるかどうかを判定
  • 推論:文の構造を理解した上で、様々な知識を総動員して文章の意味を理解する力
  • イメージ同定:文章と図形やグラフを比べて、内容が一致しているかどうかを認識する能力
  • 具体例同定:定義を読んでそれと合致する具体例を認識する能力(定義には、国語辞典的な定義と、数学的な定義の二種類がある)

このうち上2つがAIにもできる読解力で、下4つがAIが苦手とする読解力です。特に、推論、イメージ同定、具体例同定はAIはまったく歯が立たないようです。

本当の格差とは?

著者が本書で「本当の格差」について述べていたところがありました。私は思わず「それだ!」と本を読みながら唸ってしまいました。

 AI と共存する社会で、多くの人々が AI ができない仕事に従事できるような能力を身につけるための教育の喫緊の最重要課題は、中学校卒業するまでに中学校の教科書を読めるようにすることです。世の中には情報が溢れていますから、読解能力と意欲さえあれば、いつでもどんなことでも大抵自分で勉強できます。

 今や、格差というのは、名の通る大学を卒業したかどうか、大卒か高卒かというようなことで生じるのではありません。教科書が読めるかどうか、そこで格差が生まれています。p241

リーディングスキルテスト(RST)を受けてみてはどうでしょう?

著者は、基礎的読解力を調査するためにリーディングスキルテスト(RST)を開発しています。

リーディングスキルテストとは、「日本語のルールに従って教科書の文章を読むことができない生徒がいるのではないか」という仮説のもと、診断法や教授法の開発を目的に設計及び調査が進められている基礎的な「読む」力を測るテストです。

個人で受けれないのが残念なところですが、まずは「自分にどれくらいの能力があるのか?」を知っておくのがベターですよね。

サイト→→→https://www.s4e.jp

これを受けてみると、一流企業の方や学校の先生、読むことが仕事の編集者の方も間違えたりするんですって。“ちゃんと読む”って難しいことなんですね。

「読んだふりをして、分かった気になる」

ということなんだと思います。(私を含めて)

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おわりに

めちゃめちゃ良い本でした・・・そして怖くなる本でもありました。

  1. AIは文章の意味を人間みたいに理解できないから、人間の仕事を奪いまくるなんてことはない
  2. と思ったけど、人間もそもそも文章の意味を理解できてなかった
  3. 読解力が苦手なAIより、読解力が苦手な人間の仕事は淘汰されるかも・・・

という、悲しい未来です。

本の最後には著者が考える未来が紹介されています。いやはや、恐ろしい。

AIにはない人間の能力の1つが読解力(国語力)ということがわかりました。ってことで、ここの能力をガンガン鍛えていきましょう!

まぁつまり、「頭を使え!」ってことですね。

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