『子どもにいちばん教えたいこと』を読んで

『子どもにいちばん教えたいこと』を読んで 教育関連本
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教育関係者は一度は目を通すべき本だろう。著者が行っている教育は理想の教育と言えるのではないだろうか。2007年に出版された本だが、色あせない教育の本質が描かれている。

 

残念ながら、この本に書かれているテクニックを日本の教育現場で試すのはハードルが高すぎる。試せたとしても、ほとんどの人は過労死するくらいに大変だと思う。著者が真の教育者だからできていることなのだ。あくまで参考程度に読むのがいいだろう。

授業のテクニック的なことは、本書の中盤から後半にかけて具体的に書かれている。しかし、テクニックとは土台があって生きるものだ。では、テクニックを生かすための教育の土台とはなんだろうか?

 

それは「信頼関係(=安心できる場所)」だ。信頼関係こそが、子どもたちの能力を伸ばすために必須の土台なのである。なぜ信頼関係が必要かというと、多くの生徒は不安を抱えているからだ。

  • 間違えて恥ずかしい思いをしないだろうか
  • 先生に怒られないだろうか

と、不安を抱えながら授業を聞いている。不安がる理由は、クラスが安心できるものではないからだ。だから教師は生徒との間に『信頼感を築く必要がある』と著者はいう。そして信頼を損なうことは何がなんでも避けなければならない。

 

信頼感を築くためには以下の3つが有効である。

  1. あらゆる質問に答えること
  2. 約束を守ること
  3. 公平であること

「なんだ、そんなことか」と、思われそうなことではあるが、これが大切なのである。少し想像してもらえば、この3つを守ることがいかに難しいかが分かる。例えば、生徒からの質問に丁寧に答えられるだろうか?つい、次のようにいうのではないだろうか。「授業で一度説明したよ。」と。

 

新井紀子先生の著者で、子どもたちの半分くらいは教科書が読めないことが書かれている。

だから、授業で一度や二度説明したくらいでは、多くの子供は理解できないのだ。きちんと授業を聞いていても理解できないのが、実際のところなのである。だから「授業で説明したよ」とか「教科書に書いてあるよ」などの、質問を跳ね除けるような答えをしてしまうと、信頼関係は築けない。

 

現代の教育界では「アクティブラーニング!」などが声高に叫ばれている。しかし、本当に重要なことは「安心して学べる環境づくり」だろう。この本が出版されたのは2007年。まだスマホも世の中に登場していない。巻末を見てもエビデンスなどない。だけれども、時代遅れの本ではない。

  • アクティブラーニングだ!
  • ICTだ!

というまえに、読んでおきたい一冊である。それでは!

 

*読書メモとして簡単に動画にしています↓↓↓

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