2019年7月27日の週刊東洋経済に『子どもが幸せになる中高一貫校』という特集が組まれていました。興味深かったのでメモしていきます。
中高一貫校の入試の変化
4年連続で首都圏の中間一貫校の受験者数が増加しています。しかし、今までとは『選び方』が変わってきているようです。それについてまとめられていました。
1:教育改革に備えて
21年度入試から大学入試改革が行われます。そこではこれまで重視されてきた『知識』ではなく、
- 思考力
- 判断力
- 表現力
- 学習の主体性
が求められます。
一貫校であればそうした学力を6年間かけてじっくりかけて養うことができると、考えている親御さんが多いようです。
2:思考力入試
聖学院中学は2013年度入試から思考力入試をスタートさせています。そこで、
- ものづくり思考力入試
- M型思考力入試
- 難関思考力入試
の3つの思考力入試を実施しています。一般入試では合格ラインギリギリだけれども、思考力や創造性や協調性が高い子を評価できるようにしました。
3:プログラミング入試
駒込学園・駒込中学校ではSTEM教育を取り入れた入試を19年度から実施しています。STEM入試では、
- 筆記試験
- ソフトを使ってプログラミングを行う試験
の2つで構成されています。
この入試で駒込中学校が評価しているポイントは、「試行錯誤をしながらでも、いかに最後まで諦めずに課題に取り組めるか」という思考体力です。
4:算数1科入試の増加
中堅上位校でここ数年で増えているのが『算数1科入試』です。なぜ算数1科入試が増えているかというと、
- 難関校を目指す受験生は算数に強い生徒が多い
- これからの社会では情報やデータサイエンスに通じた理系人材の需要が高まっている
のが理由です。
算数1科入試は
- 世田谷学園
- 巣鴨
- 普連土学園
- 栄東
- 大妻中野
- 品川女子学院
- 鎌倉学園
などで行われています。
5:ドルトン東京学園の開校
7年ぶりに東京都内に私立の中高一貫校が開校しました。なんとこの学校は名門予備校の河合塾グループが経営する学校なのです。
河合塾が経営するからといって予備校のノウハウをふんだんに使った進学校にするわけではなく、アメリカで生まれた教育メソッド『ドルトンプラン』を基づいた教育を実践するのが目的です。
ドルトンプランとは「個」を大切にする教育でして、個を無視しした一斉授業に変わるものとして1919年に女性教育者ヘレン・パーカスト氏が考案しました。
詳しくはこちら↓
中学受験で受かるために
受験の方法も書かれていましたので、メモしていきます。
1:難関校を目指すなら塾に通うのが基本
中学受験を狙うのであれば、やはり塾通いが基本となります。難関校を目指す家庭では、3年性の2月、新4年生のクラスからの入塾が多いようです。
2:大手塾のほとんどが5年生の後半までに6年生までの学習範囲を終える
5年生で6年生の学習範囲を終えるのが普通で、6年生では苦手科目の克服と志望校別の対策を行います。
3:中学入試の偏差値を甘く見ないこと
中学入試の偏差値は高校入試の偏差値とは違います。なぜかというと、中学受験の模試は、中学受験を目指す子どもたちだけが受けるからです。高校入試とは違い誰もが受けるわけではありません。
ですから、実際の難易度は偏差値+10を想定するといいとのことです。
4:旅行は5年生まで
6年生になると家族旅行は控えた方がいいです。なぜかというと勉強のペースが乱れるからです。一度崩れたペースを元に戻すのは大人でも難しいこと。子どもならなおさらです。
中高一貫校に行かせるということ
それではリアルなお金の話です。
1:私立の場合は6年間で700万円以上
私立の場合ですと6年間で700万円以上が必要です。
文部科学省の『子供の学習日調査』によると、授業料、給食費、学校以外の学習塾費用などを含めた教育費の総額は、
- 公立中学校:年間50万円以下
- 私立中学:年間130万円以上
- 公立高校:年間45万円
- 私立高校:100万円
となっています。高校の方が安い理由は無償化政策によるもので、年収910万円までの世帯は国から年11万8800円が支給されます。さらにそこから都道府県の上乗せがあります。
2:中学受験にかかる費用
中学受験にかかる費用のことも考えておかなくてはなりません。小学4年生から6年生の3年間にかかる塾費用は100万円〜300万円です。
おわりに
本誌にはまだまだ詳しく中高一貫校の事情が書かれていましたので、興味がある方は是非お買い求めください。
個人的には、都会と地方の教育の差が開くばかりだなー、と思うばかりです😅スタディサプリのような動画サービスがある今、教育に求めるのは『授業』ではなく『学べる環境』です。
教育に力を入れている学校は、
- STEM教育
- ネット環境
- 世界を意識した環境
- 子どもの評価基準
などなどに力を入れています。田舎の学校では学べない環境があるのですね🤢
本当に質の高い教育を子どもに受けさせたいのであれば、学校のために引っ越すことを視野に入れないとダメかもしれません。ここは本当に迷うところ。
もちろん、地方には地方の良さがあり、なんでもかんでも「最先端の教育がいい!」というわけではありません。子どもにどういった価値観を持ってもらいたいか?を意識していかないと、子どもを生きづらくさせてしまう可能性が高いです。
都会に生まれた子どもたちを、地方から追い抜こうとする価値観はあまりよろしくないでしょうね。難しいところです。それでは!
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