親・教育者が知っておくべき神経科学者の知見【子どもの脳を成長させるために】

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親として子育てで知っておくべきことって何かあるかなぁ?

そんな疑問に答えます。

結論から言うと、しっかりとした愛情を持って接することです。当たり前のことですね。もし、それが失われてしまうと・・・。

 

ポール・タフさんの著書を参考に記事を書いています。

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親・教育者が知っておくべき神経科学者の知見

子ども時代の逆境を調べた研究があります。その研究によると、逆境の数が多い子と、逆境の数がない子を調べた結果、

  • 喫煙率は2倍
  • アルコール依存症である割合は7倍
  • 15歳未満で最初の性行為を経験した割合7倍
  • がんの診断を受けた率が2倍
  • 心臓病は2倍
  • 肝臓病も2倍
  • 肺気腫や慢性気管支炎を患っている率は4倍
  • ドラッグをしたことがある経験が46倍
  • 自殺を試みたことのある割合が30倍
  • 喫煙や過度の飲酒もせず、太りすぎているわけでもないのに、虚血性心疾患にかかる危険性が3.6倍

と、逆境の数がネガティブな結果につながることが分かっています。

慢性的なストレスが子どもの脳に与える影響

人は、HPA軸と呼ばれるシステムを使ってストレスに対応しています。HPAとは、『視床下部・下垂体・副腎系』の略になります。

何らかの危険を感じとったときに、まず視床下部が化学物質を放出して下垂体を刺激し、それを受けた下垂体がシグナルを伝達するホルモンを放出します。。そのホルモンにより副腎が刺激を受け、グルココルチコイドと呼ばれるストレスホルモンを送り出して特定の防衛反応のスイッチを押します。この反応は無意識のうちに起こります。

 

では、このストレス反応が慢性的に起こるとどうなるのでしょうか?

 

幼少期のストレスが最も強く影響を与えるのが、脳の中でも前頭前皮質になります。前頭前皮質は、自分をコントロールする活動、感情面や認知面におけるあらゆる自己調節機能において重大な役割を果たす脳部位です。

 

つまり、慢性的なストレスを与えられた子どもは前頭前皮質をうまく成長させることができず、自己コントロールができない大人になる可能性が高い、というわけです。

幼少期のストレスを緩和させるには?

マギル大学の神経科学者マイケル・ミーニー博士の研究が参考になります。

子ラットにストレスを与え、そのあとにケージに戻すと、子ラットに駆け寄り数分かけて舐めた毛づくろいをする母ラットと、無視する母ラットがいることがわかりました。

 

子ラットを調べてみると、毛づくろいされた子ラットはストレスホルモンが減少していたのです。つまり、母親の愛情がストレスホルモンを軽減させていたということです。

 

さらに、研究を重ねた結果、母ラットからの毛づくろいを受けた回数が多い子ラットが成体ラットになったとき、毛づくろいを受けてないラットと比べて、

  • 迷路を抜けるのがうまい
  • 社会性がある
  • 好奇心も強い
  • 攻撃性が低い
  • 健康で長生きする

ことがわかりました。

 

ラットの脳を調べてみると、生まれて間もない頃の子ラットへの毛づくろいは、DNAの制御配列への化学物質の結合『メチル化』に影響していたのです。つまり、母親の愛情は、遺伝子発現の制御に関係していることがわかりました。

おわりに:愛情は遺伝子のスイッチを変える

「子どもへの愛情は大切だ!」という当たり前のことが、科学的にも分かっている、という話を書いてきました。幼少期の頃の子どもの接し方は、子どもが大人になったときの心理面に大きく影響してくるのです。

 

子育てで、最低限守らなくてはいけないことは以下の2つ。

  • 深刻な心的外傷を与えないこと
  • 慢性的なストレスを可能な限り取り除くこと

です。これも当たり前の話ですね。それでは!

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