英語の偏差値64.1を叩き出すAIがいるけど、まだ子どもに英語の勉強をガッツリさせるの?

親が知っておきたい教育
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AI vs 教科書の読めない子どもたちで一躍有名になった東ロボくん。

東京大学にAIは合格できるのか?というプロジェクトだったのですが、結論としては「なにかのブレークスルーがない限り、AIは東京大学には合格できません」となり、東ロボくんプロジェクトは2016年に終了しました。

「やっぱりAIには限界があるってば!」って感じなのですが、それでもセンター試験を受けた学生の半分以上よりはいい点数を取っているんですよね…(2016年時点で)。(ちなみに東ロボくんのセンター試験の偏差値は57.1です。中堅国立大学や有名私立などでも合格できそうなレベルなのです。あくまでセンター試験の話ですが)

さてさて話は変わりまして、Google翻訳とかを使ったことのある人なら分かる話だと思いますが、2016年のときの翻訳精度といまの翻訳精度って一気にレベルが変わりましたよね?「え?これすごくない?これでかなり英語の論文読めるようになったくない?」と感じた方も多いはずです。そうなんです。変わったんです。ブレークスルーが起こったんです。

って話を『脳と人工知能をつないだら、人間の能力はどこまで拡張できるのか』という本が教えてくれましたので、教育に関係してそうなところをメモ。

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ここ数年で自然言語処理が急速に進歩

ここ数年で自然言語処理というものが急速に進歩しました。コンピューターで使用される言語を機械語といい、その対比として人間が普段使用している言葉を自然言語と呼びます。

で、自然言語をコンピューターや人工知能に処理させることを『自然言語処理』といい、これがここ数年で急速に進歩しています。Google翻訳を使っている人は身に染みているでしょう。英語の予習なんかをしている学生もGoogle翻訳先生を使い倒していると思います笑。

ただ、2016年以前は「Google翻訳なんて使えねーじゃん!」というのが当たり前でした。翻訳させたら変な文章がワンサカと出てきていました。

でも今は違います。めちゃくちゃ綺麗な翻訳を一瞬で出してきます。恐ろしいレベルです。というか、その辺の英語の先生を超えてるんじゃないかってくらいです。

自然言語処理がどれだけ優れているかを評価する指標の代表的なものにGLUE(General language Understanding Evaluation)というものがあります。この指標ですと、なんと2019年5月には人間はGoogle翻訳に1位の座を奪われています。すでにAIさんは、平均的な人間の言語力の上をいっているのです!

それでもまだ子どもに英語をがっつり勉強させるの?

Google翻訳をお使いのみなさま、ぜひDeepLという翻訳アプリも使ってみてください。もちろん無料です。

Google翻訳よりさらに綺麗に翻訳してくれます。これを使うと「あ、もうあと数年で言語の壁ってマジで完全になくなるんだな」という未来が誰の目にも明らかになるんじゃないでしょうか。

実際、この本の著者もDeepLを利用しているそうです。

DeepLの翻訳精度はとても高いため、英語論文をまずDeepLで翻訳してから読み始める人や、英語論文を格差にもDeepLを利用する人がこの先増えることは間違いありません。著者(池谷)は、すでにそうしたスタイルを部分的に採用しています。

p114

著者は、東京大学の薬学部教授です。そんな方が英語論文を読む際に、部分的にDeepLを使ってるんですよ。これ、どういうことか、もうお分かりですよね?

2019年のセンター試験の英語を受けた東ロボくんの点数は185点

自然言語処理が急速に進みました。だったら、東ロボくんはもっといい点数が取れるのでは?気になりますよね。

実を言うと東ロボくん、2019年のセンター試験の英語を受けたみたいなんです。では2016年時点で200点中95点(偏差値50.5)だった東ロボくんは、2019年ではどれだけ成績を伸ばしていたのでしょうか。

なんと200点中185点です。偏差値64.1です。

はい、もうやめよ。英語の勉強やめよ。2019年でこの点数ですよ。いまはもう2022年。センター試験は廃止されましたが、英語のテストでAIが高得点を叩き出すのは間違いありませんよ。

その後も自然言語処理分野の進歩はとどまるところを知らず、半年も経てばそれまでの最高性能を更新するモデルがいくつも登場するような状況です。そう考えると、現時点で再び英語の問題を解かせたらさらに点数が上がることでしょう。

p129

という今のAIの進化を踏まえた上で、英語の勉強にどれくらい費やすのか?を考えた方がいいでしょう。

「AIとかコンピューターとかアプリとかを使わずに英語を喋るようになりたいんだ!」というような特別な感情をお持ちの人ではない限り、もう英語ってそこまで勉強しなくていいと思います。英語を勉強するくらいなら、他の教科を勉強をしたほうがいいですよ。

もちろんまだ英語は試験のためには必要ですし、多言語を学ぶという頭の体操のために英語の勉強をやるのはいいと思います。でも、今までのようにゴリゴリと英語の勉強を続けるのはスパッとやめた方がいいでしょう。

10代という貴重な時間をどこに使うのか?

そう考えていくと、英語の勉強の優先順位が下がることは間違いないはずです。

参考までに。それでは!

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