子どもの時にいろいろなスポーツを習わせた方がいいっていうけれど、なんでだろう?
そんな疑問に答えます。
簡単に言ってしまえば、「脳が鍛えられて応用が効くようになるから」です。
さて、この疑問については為末大さんがYouTubeにて答えてくれていますので、ぜひ参考にしてみてください↓
子どもの頃にはいろいろなスポーツをさせた方がいい理由
スポーツならなんでもいいですが、たとえばテニスを初めてやると考えてみましょう。初めてラケットを握ってボールを打つとなると、そう簡単にはいきません。
- ボールの跳ねる位置を予測して、そこに移動
- ラケットを振ってボールに当てる
経験者なら分かりますが、この感覚を身につけるまでに相当な時間がかかります。で、このテニスの経験は脳の小脳という部位に蓄えられていき、練習を重ねていけばどんどんうまくなっていきます。はじめはボールの軌道もわからなければ、ラケットで届く範囲もわからずに空振りなどをして苦しんでいたのが、練習していくと『なんとなく』でできるようになっていきます。脳がボールの軌道や、ラケットの届く範囲を覚えていくのですね。
為末さんの言葉を借りれば、これを『チャンク化』と言います。テニスの動きのチャンク化ができていると、バドミントンや卓球などのラケット競技に応用が効きます。ですが、ボールやラケットを使わないスポーツだと、テニスの動きのチャンク化はそこまで役に立ちません。テニスをやっていたからと言って、水泳や柔道の動きに役立つことはほとんどないのです。
ということは、子どものころにいろいろなスポーツの『チャンク化』を行っておけば、スポーツの応用の幅が広がるというわけです。だから「子どものうちにいろいろなスポーツをやらせておけ!」という話になるのですね。
- 走るというチャンク化
- 泳ぐというチャンク化
- 投げるというチャンク化
などなど、種々の動きのチャンク化を持っておいた方が、のちのち有利になります。もちろん大人になってもチャンク化は可能なのですが、子どもと比べるとどうしても時間がかかってしまいます。
1つのスポーツだけをやらせる弊害→変化に弱い
「子どもを野球選手にするんや!だから習いごとは野球一本や!」となる気持ちは分かります。もちろんそれで一流の野球選手になる人もいるでしょう。
だけれども、そういう選手は変化に弱かったりします。どういうことかというと、たとえばスポーツ科学が進化して「従来の動きより、動きをこのように変化させたほうが球を飛ばしやすい」となった場合、野球しかしてこなかった人は変化への対応が難しいです。というのも、大人になってから『一から新しい動き』を取り入れるのは難しいからです。
そういう時に、幼少期の頃の『野球以外のチャンク化』が生きてきます。いろいろなスポーツをやっていると、昔にチャンク化された動きを野球に取り入れやすいわけですね。
為末さんはこうおっしゃいます。
私が子供の時にいろんな動きをやっておいたほうがいいですよーと言うことは、その子にとってもいい、怪我も防ぐ、人生にとってもいい、だけれどももしトップ選手になった時にも、チャンク化されたいろんな引き出しのある選手の方が、イメージしたことを表現しやすいのでいいですよという意味合いを含んでいます。
ちなみに、世界で活躍するアスリートをちょこっと調べてみると、複数のスポーツをやっていたことが分かります。
- 錦織圭選手:テニス、サッカー
- 大谷翔平選手:野球、水泳
- 渋野日向子選手:ゴルフ、ソフトボール
などなど枚挙にいとまがありません。。好きな選手がいたら調べてみてください。
おわりに:小さなチャンク化をたくさんつくろう
小さなチャンク化をつくって脳にストックしておけば、将来それが役に立つことがあります。大人になって「こういう体の動かし方をしたい」と思った時に、チャンク化の引き出しが多い方がそれを実現しやすくなるのですね。
為末さんの話を聞いていて、私はアップル創業者のスティーブ・ジョブズの伝説のスピーチを思い出しました。有名なので聞いたことがある人も多いと思いますが「点と点が線でつながる」と言っております。これをスポーツに置き換えると、「チャンク化という点がつながる時がくる」ということですね。
Again, you can’t connect the dots looking forward; you can only connect them looking backwards.
繰り返しますが、将来を見据えて点と点を結びつける事はできません。後に振り返ってみたときにしか、点と点を結びつけることができないのです。
参考までに。それでは!
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