勉強の目標を立てても、続かなかったりしていませんか?
もしかしたらその目標の立て方は間違っているかもしれません。
今回の記事では目標の立て方に関係してくる心理学の『モラル・ライセンシング』についてご紹介したいと思います。
正しい目標の立て方は具体的に!
心理学の用語に『モラル・ライセンシング』というものがあります。
これを超簡単に説明しちゃうと『良いことをしたら悪いことをしたくなる心理効果』のことです。
私が初めてモラル・ライセンシングについて知ったのは、スタンフォード大学で教鞭をとっているケリー・マクゴニガル先生の『スタンフォードの自分を変える教室』を読んだ時です。
かなり面白い本なので、是非とも読んで見てくださいね(`・ω・´)”
頑張った時には自分にご褒美をあげたくなる
「良いことをしたら悪いことをしたくなる?そんなわけないだろ!」と思う人もいるでしょう。
でも想像してみてください。
頑張ったら自分にご褒美をしてあげたくなりませんか?
例えばダイエットしている女性が、激しいエクササイズをした後「今日くらいはご褒美にケーキ食べちゃお!」みたいに考える女性は少なくありません。
仮に「今日頑張ったんだし、明日も頑張ろう!」と考える女性が多ければ、ダイエットに失敗する女性はほとんどいないでしょう笑。
モラル・ライセンシング効果はかなり強いことがわかると思います。
寄付金の額が減る
モラル・ライセンシングの興味深いところが、『良いことをしたら』ではなく『良いことを考える』だけで効果を発動してしまうところです。
例えば、寄付金の依頼を受けた時、以前に気前よく寄付したことを思い出した人たちは、思い出さなかった人と比べて、寄付金が6割も低いという結果が出ていたりします。
なんとなくわかりますよね。
「前寄付したから今回はこれくらいでいいか」みたいな気持ちが出てきてしまいますよね。
モラル・ライセンシングは悪いことをしたくなるだけでなく、善い行いを抑制する効果もあるのです。
楽しい想像は目標を阻害する
先ほどの寄付金の例は『良いことを考える』だけで、モラル・ライセンシング効果に陥るということでした。
つまり、勉強を頑張って、目標の大学に入学して楽しい大学生活を想像することは、勉強を阻害することにつながります。
もちろんモラル・ライセンシング効果が薄い人もいるでしょうが、このように楽しすぎる未来を想像することが良くないんですね。
具体的な目標を立てるべき
以上のことから、学生が目標を立てるとするならば、「あの大学に入って楽しいキャンパスライフを送るぞ〜!!」ではなくて、1週間の目標、1ヶ月の目標などをより具体的に立てるべきです。
もちろん、勉強に疲れたら、楽しいキャンパスライフを想像してリフレッシュすることも大切ですが、それを毎日毎日やってしまうとモラル・ライセンシングに陥って勉強に手がつかなくなります(´・ω・)
簡単なことから手を動かす
勉強をやるにあたって大切なことは『やる気』だと多くの人が思うでしょう。
では、やる気があるから勉強をしていくのか、勉強を始めるからやる気が出てくるのか、どちらでしょうか?
まぁどちらも互いに関係してくるのですが、オススメはまずは勉強を始める、つまり手を動かすことから始めることです。
まず行動を起こすことで、後からやる気が出たりするんですね。
掃除が嫌いな人でも、掃除を始めると徹底的にやったりする人も多いと思います。
やる気があるから行動を起こすのではなく、行動しているとやる気が次第に出てくるということも往往にしてあることなんですね。
だから勉強などでも、まず始めてみることが大切です。
ここで重要なポイントなのですが、いきなり難しい問題を解かないことです。
いきなり難しい問題を解いて手が止まってしまうと、やる気も止まってしまうんですね・・・。
だから最初はある程度の問題を数個解いてから、難しい問題にチャレンジするのが良いでしょう。
これもテストと同じ感じで、テストの最初の問題からつまづいたら、後の問題もうまく解けないですよね?
最初の数問をパパッと解くことで、調子が上がってくるのです。
人間のモチベーションなんて所詮はそんなものなんですね。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回の記事ではモラル・ライセンシングについて書いてきました。
モラル・ライセンシングの怖いところは、いいことをしようと思っただけで、実際にはいいことをしていなくても、自分にご褒美をあげたくなっちゃうところです。
そのため目標を立てる時にはモラル・ライセンシングが邪魔をしてきて、より良い未来の自分を想像するだけで、自分に甘くなっちゃうんですよ(´・ω・)
だから未来の幸せな自分を目標にするのではなく、やるべきことを具体的に目標にしていきましょう!
そして、モチベーションが上がらなくても机の前に向かって手を動かしてみる。
そうすることで、どんどんとモチベーションが上がってくるはずです。
所詮はモチベーションなんていうものは、脳内ホルモンのドーパミンが分泌されるかどうかです。
ドーパミンを分泌するためには、考えることより、行動が大切だったりするんですね〜。
今回の記事も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
追記:人間の二面性
モラル・ライセンシングってなんだか不思議ですよね。
良いことをしたら、悪いことをしたくなるなんて。
でも、これは人間の二面性を表しているといえばわかりやすいかもしれないです。
私たちは心の中で道徳的に正しい人間でありたいと願う一方、何にも束縛されず自由な人間でいたいという願いがあります。
真面目な自分と不真面目な自分をバランスを保つため、モラル・ライセンシングは働くのではないでしょうか。
ずっと真面目に生きること、ずっと不真面目に生きること、そんなことは不可能です。
自分らしく生きるために、無意識的に私たちを動かすものがモラル・ライセンシングなのかもしれません。
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