電力って供給が多すぎてもダメだということをご存知でしょうか?
え?供給が多いのってダメなの?
そうみたいなんだ。消費と供給が一致しないと停電になっちゃうんだって。
太陽光発電の供給が過多になったので、太陽光発電を一時停止にするという話が出てきているようです。
これ今年の春に業界で話題になった話で、こうなることは何年も前から分かっていました。そして対策はとられていません。とりようがないですけど。経産省は優秀な人たちではなかったのか? RT太陽光発電に停止要求の可能性「秋に入り供給過多」理由に | NHKニュース https://t.co/oMWFyRQC6u
— 石井孝明 (@ishiitakaaki) 2018年10月9日
秋になって冷房を使わなくなり需要が減る一方なのですが、太陽光発電の普及により供給が需要を上回ったそうな。
なぜ供給が増えると停電が起こるのか?
なんで電力の供給が過多になると停電になるの?
- 供給過多
- 電気の周波数が不安定に
- トラブルを防ぐために発電所が自動停止
- 停電
という流れになります。
先月の北海道の地震で大規模停電があったでしょ?あれは主力の火力発電所が停止し、供給力が急激に低下して自動停止したんだって。
つまり、供給が多すぎても少なすぎても自動停止ってこと?
そうなんだ。供給過多の場合、火力発電所なら出力を絞ったり、電力を他の地域に送って需給バランスを整えているけど、太陽光や風力発電などの自然エネルギーは制御が難しんだね。
電気の周波数の話
電気は周波数(電気の流れが一秒間にどれだけ変化するか)が大切になります。電気の需給が一致していないと、この周波数が乱れてしまうんですね。
周波数の乱れって何がよくないの?
新興国に行くと電気が安定していることの大切さが分かります。周波数が安定していないので、電球の明るさが暗かったり明るかったりすることがあります。そして周波数が強すぎる場合、電球が破裂したりすることもあります。
日本はすごいんやねー。
でも日本でも東日本と西日本で周波数が違うんだよ。
東日本大震災の時でしたが、関東で電力が不足しているので「節電して西日本の電気を送ろう!」みたいな動きがありました。しかし、東日本では50Hz、西日本では60Hzなので送れないという話がありました。
太陽光発電の業者の危機
ついでにこんなニュースも紹介しておきましょう。
どうやら今年に入って太陽光発電業者の倒産が増えているようなんですな。その理由についてですが、ちょっと長くなりますが引用します。
太陽光発電は再生可能エネルギーの柱として、国が、2012年に太陽光発電電力の固定価格買取制度(FIT制度)を創設し、導入拡大を積極的に支援した。この制度は、電力会社に、太陽光発電電力などの再エネ電力を長期固定価格で買いとることを義務づけるもので、発電事業者にとっては、長期にわたって、利益が保障されるようなもの。そのため発電事業に参入する事業者が急増した。その結果、事業者の過当競争がし烈化するとともに、電力会社の買取費用は、電気料金に上乗せされる再エネ賦課金でまかなわれるため、電気料金が上昇し、国民の負担を増大させた。
そうした反省から国は、FIT制度を事実上、縮小するとともに、諸外国に比べて高コストにある発電機器や設置工事費用を是正することを求めている。それらによって、事業者の利益が圧迫され、経営が一段と苦境に陥る企業が増加している、といえる。太陽光発電事業者の倒産は、いわば“国策倒産”ともいえる状況だ。
要約すると、
- 政府「太陽光やるなら金出すでー」
- 業者「チャンス!ワイも太陽光発電やるで!」
- 政府「やっぱ金出すのやめるわ」
- 業者「へ・・・?」
みたいな感じですな。
ここにもう1つの視点を加えます。エネルギーアナリストの大場紀章氏の言葉です。
先行者利益型の補助金+インフラフリーライドビジネスに、少し遅れて参入した事業者は、次第に出資者を騙す詐欺ビジネスと化してしまったから。
これを「なぜ」とか「国策倒産」などと言っているようではダメですね。
引用元はこちら↓↓↓
「なるほどなー」と思わせられますね。遅れて参入した業者が巻き返すには“詐欺を働く”しかなくなってくるんですなー。社会を表していますわ。
日本と再生可能エネルギーについて
- 地震
- 津波
- 大雪
- 平地が少ない
という条件が揃っている日本。再生可能エネルギーに適していない土地でしょう。
「広大な土地確保のために開拓や!」と言い出したら、なんのための“再生可能エネルギー”なのかって話になります。難しい話なんですね。
おわりに
太陽光発電の難しさについて書きました。
難しい。いやー、本当に難しいですねぇ。色々な話が絡み合ってるので、「これだ!」と言えるような答えを出せません。
- エネルギー技術の話
- 政治的な話
- 人々の動きの話
などなど、いろんな視点を持っていないと解決できない問題ですなぁ。だからこそ「やりがいがある!」のですけれども!
ということでこーゆー系の分野もおもしろそうですね〜^^
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