『きょうだい型人間学』をご存知でしょうか?
とあるテレビで、国際基督教大学教授である心理学者の磯崎三喜年(いそざきみきとし)さんの著書『きょうだい型人間学』をテーマにして番組を作っていました。
きょうだい型人間学とは、きょうだいは生まれた順によって人間の特徴が出てくる傾向があるので、その特徴を理解し、人生に活かそうというものです。とても興味深く面白いものだった簡単にまとめて記事にしてみました。
きょうだいの特徴とは?
それではきょうだいの特徴についてまとめていきます。
その1:トップスポーツ選手には末っ子が多い?
2014年ワールドカップサッカー日本代表のスターティングメンバー11人のうち7人が末っ子です。三浦和也さん、中田英寿さん、本田圭佑さん、香川真司さんなど
日本の歴代エースには末っ子が多い
ことが分かります。
他のスポーツでも、野球のイチローさん、テニスの錦織圭さん、ラグビーの五郎丸歩さん、スケートの浅田真央さんなど、スポーツで活躍する選手には末っ子が多いのです。
末っ子は幼い頃より、兄や姉を真似てスポーツをはじめ、体力や技術的に上の兄や姉に追いつけ追い越せと必死で練習します。そのせいもあって、同級生の中では秀でた存在になり、それが自信となりさらなる成長の糧になります。(兄弟でも同性で年齢が近いほどライバル心が強まり、末っ子は鍛えられます。)
その2:ノーベル賞や大統領には長男や長女が多い?
ノーベル賞受賞者やアメリカの歴代大統領の半数以上が長男や長女の一番っ子です。
家族にとって初めての子は周囲の期待をいっぱい受けて成長しますし、教育にかけるお金は一番っ子が一番多いというデータもあります。また何をしても褒められるため、一生懸命努力するようになります。また、
出生順による知能水準を比較すると、上の子ほど知能が高く学歴が高い
というデータもあります。
きょうだいの特徴を知ることで人間関係を円滑に
一番っ子・間っ子・末っ子・ひとりっ子、それぞれの性格・能力・パーソナリティを知ると、人間関係において大きな「武器」になります。
その1:一番っ子(長男・長女)の特徴
一番っ子はおなじみの責任感が強く、面倒見が良い傾向があります。両親からたっぷりと愛情を受け、何をするにしても両親の監視と注目を受けるので、慎重でルールを重んじる性格になります。怪我が一番少ないというのも一番っ子の特徴です。
しかし、弟ないし妹ができると一気に王座が奪われ、親の愛情が下の子供に向けられます。そこで、可愛さでは下に負けるので、「いいお兄ちゃん、いいお姉ちゃん」として両親に褒められる喜びを求め、親の反応を敏感に察知するようになります。
そうすることで、大人とのやりとりがうまい典型的な優等生タイプになります。注意としては、ほめることを忘れると、注目しようと問題行動を起こすようになります。
その2:末っ子の特徴
一番っ子と対照的なのが末っ子です。末っ子を一言で表現すると一家のアイドルで、常にもてはやされ集団の中心でいることに喜びを感じて成長するので、サービス精神旺盛なお調子者になりがちです。
例えば、他人の話に周りが注目している時「うん、そうだよね。ところでさ、私さ」と自分を主役にもっていったりします。注目を集めるために自分をアピールする術は幼児期に培われた末っ子の人生戦略なのです。
末っ子は人に好かれたい願望が強く、目立ちたがりなため芸能人に多く、例えばビートたけしさん、タモリさん、松本人志さんなどです。幼い頃から上のきょうだいの経験を「疑似体験」できるのも末っ子の特徴で、上のきょうだいに比べ要領がよくなります。
その3:間っ子の特徴
間っ子の特徴は、上にも下にもきょうだいがいるので、親と過ごす時間が最も少ないことです。親は一番っ子に期待をかけ、手のかかる末っ子に愛情を注ぐので、間っ子は自然と一人でいる時間が増えます。
最初はそれに寂しさを感じますが、親から「手のかからない良い子」と褒められることで、それに快感を覚え成長していきます。例えばきょうだいの意見が食い違った時、誰もが納得する解決策を見出す空気を読む力が培われます。上にも下にも配慮できる、人間関係の達人とも言えます。
芸能人で言うと、明石家さんまさん、くりぃむしちゅーの上田さんが間っ子です。そんな間っ子のもう一つの特徴は自由が好きで束縛を嫌うことです。「勉強しなさいよ」とか言われたら気持ちが萎えてしまいます。
その4:ひとりっ子の特徴
かけがえのない子供として親の愛情を独占して育つひとりっ子。わがままで自己中と言われがちですが、近年この説には根拠がないと言われています。そもそもひとりっ子はきょうだいと比べられたり合わせる必要がないので、おっとりとした性格になりがちなので、自己中心というよりはマイペースなのです。
ひとりっ子の特徴として、妙な自信があります。きょうだい間の競争がなく『負ける経験』がないので、それが自信として身につくのです。親のサポートと自信、ツボにはまった分野で力を発揮すると言われます。
ひとりっ子のもう一つの特徴として、話にオチがありません。親が自分の話を聞いてくれるのが当たり前なので、話にオチをつける必要がないからです。
きょうだい型分類適職
それぞれの特徴を表にしてみました。特徴によって『適した職業』が一応あるので参考にしてみてください。(絶対ではないので、あくまで参考程度に)
特徴 | 適した職業 | |
一番っ子 | 慎重・真面目・面倒見が良い・責任感が強い・怪我が少ない | 安定した社会的地位の高い仕事。弁護士・医師・公務員・宇宙飛行士 |
間っ子 | 空気を読む・調整役・人当たりが良い・本心がわかりにくい・人間関係の達人 | 人とのやりとりが重要な仕事。接客業・中間管理職・政治家・司会者 |
末っ子 | 楽観的・型破り・要領が良い・負けず嫌い・人たらし | 人を楽しませる仕事。営業マン・タレント・ディレクター |
ひとりっ子 | マイペース・妙な自信・空想好き・ツボにはまるとすごい・独自の世界観 | 専門職やアーティスト。研究者・開発者・デザイナー |
上の表は絶対ではないですが、就職活動中の学生は参考にしてみてもいいかもですね。
おわりに:きょうだいの性格はあくまで参考程度に
今回の記事では『生まれた順のきょうだいの特徴』について書いてきました。
家族間でも友達間でも、自分の周りの人をサンプルにしてみたら意外と当たってたりしませんか?友達との話のネタにするのも面白いと思います。それでは!
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