逆境に強い子どもを育てるには?レジリエンスを育む教育をしよう

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レジリエンスを 育む教育とは?

ペンシルベニア大学ウォートン校教授のアダム・グラントさんとフェイスブックCOOのシェリル・サンドバーグさんの共著『OPTION B』を読みました。

この本の中に子育てに関することが書かれていたので、メモしていきます“φ(・ω・。*)カキカキ

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いつか必ず子どもは逆境に直面する

生きていく以上、必ず逆境に直面します。
その逆境に負けてしまうのか、それとも乗り越えるのか?

乗り越えるためには“レジリエンス(回復する力)”を鍛える必要があると著者たちは言います。
レジリエントは生まれつき備わった能力ではなく、鍛えることができます。

ならば、どうやってレジリエンスを育んでいくのか?

レジリエントを育む5つの深い関係

レジリエンスを育むものは次の5つです。

  1. 自分に与えられた機会
  2. 保護者
  3. 教師
  4. 友人

これらと深く関わることでレジリエンスを育んでいくことが可能となります。

子どもに持たせるべき4つの信念

著者はレジリエンスを育むためには、次の4つの核となる信念を子どもに持たせることが出発点となると言います。

  1. 自分の人生は自分である程度コントロールできる
  2. 失敗から学ぶことができる
  3. 自分はひとりの人間として大切な存在である
  4. 自分のために役立て、他人と分かち合うことのできる強みが自分にはある

この4つの信念が子どもに与える影響は絶大でとのことです。
それぞれについて見ていきます。

自分の人生は自分である程度コントロールできる

ある研究で、数百人の「リスク児童」を30年にわたって追跡した。彼らは極度の貧困やアルコール乱用、精神疾患を抱える家庭で育った子供たちで、青年期・成人期には3人に2人が深刻な問題を抱えていた。しかし、これほどの困難な状況にあっても、3人に1人が犯罪歴や精神衛生上の問題とは無縁の、「有能で自信と思いやりに満ちた若年成人」に成長していたのだ。p156

この子たちには共通点があり、『自分の人生をコントロールしている』という強い感覚を持っていました。
その感覚を持つことで、ネガティブな出来事を脅威ではなく、挑戦や好機とポジティブに捉え直していたのです。

失敗から学ぶことができる

心理学者のキャロル・ドゥエックは、「成長のマインドセット(思考態度)」を持つ子供は、「固定的なマインドセット」を持つ子供に比べて、逆境に立ち向かう力が高いことを明らかにした。p158

  • 固定的なマインドセット:能力は生まれつきのもの
  • 成長のマインドセット:能力とは後天的に身につけれるもの

そして、子供がどちらのマインドセットを持つようになるか、親や教師のほめ方によっても変わってきます。
これはよく言われるやつですね。

  • 頭がいいねとほめる→能力をほめる→能力は固定的だと思う
  • 頑張ったねとほめる→経験をほめる→能力は成長できると思う

ほめ方についてはこちらの記事を参考にしてみてください→→→

最近では、子供に成長のマインドセットを持たせることの大切さが広く認識されるようになったが、まだ十分に実践されているとは言えない。いわゆる「知識と行動のギャップ」が存在し、親も教師も頭ではわかっているが、なかなか実行できないのである。p159

ついつい「すごいね!」と言ってしまいがちなのです(´・ω・)
「すごいね」は適度にして、「頑張ったね」を増やしてあげてください。

そして、“困難こそが成長のチャンス”だと子どもに教えてあげることが大切になります。(固定的なマインドセットだと、困難なことは避けようとする)

自分はひとりの人間として大切な存在である

子供のレジリエンスを形成する3つめの信念は、自己価値の認識である。自分のことを気にかけ、大切に思い、信頼してくれる人がいると理解することだ。多くの親は、これを当たり前のように子供に伝えている。子供の話に注意深く耳を傾け、子供の考えを尊重していることを示し、強く安定した愛情関係を結べるように手を貸している。p160

逆に言えば、子供が自分が重要な存在であるという認識を持つためには、大人がしっかりと子供の話を聞き、意見を尊重してあげなくてはいけません。

自分のために役立て、他人と分かち合うことのできる強みが自分にはある

子供のレジリエンスを育む最後の信念は“自分のために役立て、他人と分かち合うことのできる強みが自分にはある”という考えです。

インドの最貧困地域のいくつかでは『ガールズ・ファースト』というレジリエンスを高めるプログラムが2009年から始まっています。

ビハール州では修学年数が12年に満たない(高卒未満の)女性が95%を占め、また女性のほぼ70%が18歳になるまでに妊娠する。プログラムでは、勇気から創造性まで、正義感から思いやりまで、謙虚さから感謝できる心まで、さまざまな性格の強みを自覚し、伸ばす方法少女たちに教えている。参加者は週1時間のセッションを6ヶ月間受けただけで、感情のレジリエンスが高まった。リツと言う名の8年生(中学2年生)の少女は、自分の強みの1つが「勇気」だと知った。それからほどなくして、友人たちをいじめる男子を止めに入り、9年生の姉を結婚させようとした父親に声を上げ、待ってあげてと説得した。p163

ガールズ・ファーストを運営するスティーブ・レーベンソールはこのように発言しています。

「私らの仕事は、一人ひとりのなかに灯を灯すことです。少女たちはよくいうんです。自分に強みがあるなんて、誰も言ってくれなかった、と。」

これはインドの子だけではなく、「自分に強みがある」と思っている子どもは少ないはずです。
しかし、そんなことはありません。

誰だってうちに光るものがあり、それに気がついていないだけ。
子供が気がついていないのであれば、それに気がつかせあげるのが周りの大人の役目でしょう。

また、気がつかせるだけでなく、その強みを伸ばしていけるように手助けすることも大切です。

まとめ

この記事では『レジリエンスを育む方法』について書いてきました。

レジリエンスを育むためには、次の4つの信念を子どもに持たせることが必要です。

  1. 自分の人生は自分である程度コントロールできる
  2. 失敗から学ぶことができる
  3. 自分はひとりの人間として大切な存在である
  4. 自分のために役立て、他人と分かち合うことのできる強みが自分にはある

どれも“当たり前”のことなんですが、ついつい忘れがちになる言葉です。

このような教育は学校ではほとんど行われていませんので、家庭教育でしっかりと育んであげてください。

今回の記事も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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