【GRIT】やり抜く力を身につけさせる子育てとは?

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「どうやったら子育てがうまくいくのでしょうか?」

これは子供を持つ親御さんなら共通する悩みの1つだと思います。
Paretingという単語は子育て・親業という意味がありますが、元はラテン語に由来しており『引き出す』という意味を持っています。
子供の才能をできる限り引き出してあげたいと考えるのが親心ですよね。
今回の記事では、科学でわかっている賢明な子育て法について書いていきたいと思います。
今回の記事もアンジェラ・ダックワースさんの著書『GRIT やり抜く力』を参考にしています。

前回の記事では『脳とやり抜く力の関係』について書いています。
合わせて参考にしてみてください⇨固定思考ではなく成長思考へ

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やり抜く力の育み方

やり抜く力の第一人者であるアンジェラさん曰く「子育てとやり抜く力の関連性についての研究は、未だ例がない」といっています。
と、いきなり残念なことを告げられてしまったのですが、著書ではできる限りの証拠を集めてくださっているので、そこから紹介したいと思います。

厳しく育てるor優しく育てる

子供を厳しく育てるのか、優しく育てるのか、これは育て方についての永遠のテーマですね。

でもこの問題については、二者択一ではないのです。
厳しく、そして優しくあることは両立できるということです。
身もふたもないことですが、『時に厳しく、時に優しくの育て方』が大切なんですね。

4つの子育てパターン

GRITの283ページにある子育ての4パターンを紹介したいと思います。

子育ての4パターン

字が汚いのは申し訳ございません。

縦軸が示していることは、上側が『支援を惜しまない』ことで、逆に下側に行けば『支援をしない』ということです。
横軸が示していることは、右側が『要求が厳しく』、左側が『あまり要求しない』ということです。

左下は子供に要求せず、支援もしない親が該当し、これを『怠慢な育て方』と呼んでいます。
右下は子供に要求はするが、支援はしない親が該当し、これを『独裁的な育て方』と呼びます。
左上は子供に要求はしないが、支援は惜しまない親が該当し、これを『寛容な育て方』と呼びます。

左下と右下は論外として、寛容な育て方より子供に要求をし、支援もする『賢明な育て方』をこの本では推奨しています。

心理学者のローレンス・スタインバーグが行なった、1万名ものティーンエイジャーを対象にした研究があります。
それによると、性別、民族性、社会的地位、婚姻区分に関わらず、『暖かくも厳しく子供の自主性を尊重する親』を持つ子供たちは、他の子供と比べて、学校の成績が良く、自主性が強く、精神病や非行に走る確率が低いことがわかりました。

この研究はアメリカで行われたのですが、他の国々でも例外なしに同じパターンがみられることも明らかになっています。

子供の受け取り方が大切

子育てによる研究の大きな発見の一つは『子供の受け取りかた』です。

どういうことかというと、親が子供に伝えようとしているメッセージよりも、子供がそのメッセージをどう受け取るかの方が重要だということです。
例えば、A君の家庭ではお母さんが子供に向かって「〇〇しなさい!」と言っていたとして、それを威圧的と捉えるかどうかは子供次第ということです。

「〇〇しなさい!」と言われたことない子供にとっては、A君のお母さんは怖いかもしれません。
しかし、「〇〇しなさい!」と言われ続けてきた子供にとっては、「お前の母さん、一度しか〇〇しなさいって言わないから優しいよな」という解釈だってできるわけです。

子供が親の言動をどう受け止めるかは、他人にはわからないところが大きかったりするのです。(もちろん愛情のない厳しさはダメですけど)

P285ページには「育て方診断テスト」なるものがあるので、ぜひ手にとってやられてみてください。

子供は親を真似る

子供は親を真似ると言う習性があるということを、スタンフォード大学で行われた心理学の実験からご紹介します。

未就学児童たちに大人がいろいろな玩具を使って遊ぶ様子を見せ、その後に同じ玩具で遊ぶ機会を与えました。
その結果はというと、

  1. 大人が玩具を使って静かに遊ぶ様子を見せると、子供たちも静かに遊びました
  2. 大人が玩具を乱暴に扱う様子を見せると、子供たちも同じように乱暴な遊び方をしました

やり抜く力を持つ子供は、親を手本にしている

ベンジャミン・ブルームさんが、世界トップクラスのスポーツ選手や芸術家を対象に行った研究ががあります。

子供に対して厳しくも支援を惜しまない親たちは、ほぼ例外なく、子ども達にとって努力の手本となっており、親自身が「努力家で、何かに挑戦するときは全力を尽くし、楽しみよりもやるべきことを優先させ、遠い目標に向かって努力する」姿を子供に見せていた。さらに、「そのような親たちの多くは、自分の好きな活動に、子供たちを積極的に参加させていた」。引用 GRIT p288

アンジェラさんが『やり抜く力』が強い人たちに行ったインタビューでも、多くの人が自分が最も尊敬し、影響を受けたロールモデルは親だと語ったそうです。
アンジェラさんも言っていることですが、子供のやり抜く力を伸ばしたいのであれば、まずは『自分自身』が人生の目標に向かってどれくらいのやり抜く力を発揮して取り組んでいるかを、見つめなおさなくてはなりません。
それにプラスして、子供への適切な育て方(賢明な育て方)をしているかを考えましょう。

良い教師に出会えるかは運

やり抜く力を持っていない親、賢明な育て方をしていない親の元で育った人でも『やり抜く力』を持っているケースはあります。
その人たちは人生のどこかで『誰か』に出会っていました。
そしてその『誰か』は適切なタイミングで、自信と支援を与えてくれたのです。

親以外で『やり抜く力』を伸ばすきっかけを与えてくれる確率が高いのは『教師』です。
しかし、教師の中でも、延命な教師もいれば、寛容な教師も、独裁的な教師も、怠慢な教師もいます。
運よく賢明な教師に出会うことができれば、『やり抜く力』を引き出せるかもしれません。
しかし、賢明な教師に出会う確率ってどれくらいでしょうか?
今の日本の教師は仕事の激務で毎日を追われています。(教師の多忙さについてはこちらの記事を参考にしてください⇨モンスタ-ペアレントにならないために、教えるのが下手な教師が多いということを親は知っておく必要がある。
そんな偶然に任せるよりは、やはり『親自信』が賢明な親になろうと努力をするのが一番ですよね。

教師ついでにこちらの記事も参考にしてみてください。

やり通すことで『やり抜く力』を育む

対応原則という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

自分の性格に適した状況に引き寄せられ、その結果、その特性が強化されるということです。
例えば、おとなしい子がは、おとなしいグループに引き寄せられるので、さらにおとなしさが強化されるのです。
対応原則は好循環でも、悪循環にもつながるので、注意しなければなりません。

しかし、好循環を繰り返すことによって、新たな特性が強化されるということもありえるのです。
だから、アンジェラさんは様々な課外活動に参加することを勧めています。
課外活動に取り組むことで、周りの人からお香のことを学び、色々な経験を重ねるうちに、自分にとって何が重要なのかが分かってきます。
そういう中で人格は育まれていくので、できるだけ多くの経験を積めるように、複数の課外活動に参加するべきなのです。

また、課外活動を2年以上経験した子供は、経験していない子供よりも成績が良く、自尊心も高く、問題を起こすこともな少ないと、様々な点で優れていることを示す研究は多々あります。
ここで重要なことは、『課外活動はなんでもいい』ということです。
運動系でも文化系でも、なんでも良いのです。
重要なのは長く続ける(やり通す)ことで、対応原則を好循環に持っていくことです。

まとめ

いかがだったでしょうか?
今回の記事では『やり抜く力を身につけさせる方法』について書いてきました。
自分がやり抜く力を強化したいのであれば、『やり抜く力が強いコミュニティ』に参加することです。
子供のやり抜く力を引き出すには、『親自信がやり抜く力を伸ばすこと』になります。

どっちにしろ、『親が頑張れよ!』という、当然といえば当然のことですが、厳しい結果になっています。
でも、その通りですよね。
「お父さん、お母さんは頑張らないけど、お前は頑張れよ!」という態度が子供に良い影響を与えるでしょうか?
絶対にそんなことありませんよね。

GRITは子供の成功にすごく関係のあるものです。
子供の将来を真剣に考えたいのであれば、是非ともこの本を手にとってみてください。

今回の記事も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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